みなさん、こんにちは。
音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
一月になって早7日が経過しましたが、音楽療法や介護レクレーションをされている方の中には、お仕事が始まりつつあるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、これから高齢者の方を対象に音楽療法活動や介護レクレーションをされる方の参考になるよう、フリーランスの音楽療法士として高齢者領域で活動をしていた柳川が、1月の高齢者を対象とした集団音楽療法のプログラム例をご紹介いたします。
高齢者音楽療法のプログラム例~1月編~

今回は、1月の高齢者を対象とした集団音楽療法の例をご紹介いたします。
ただし、こちらの内容を読まれる上でお伝えしたいことがあります。
今回ご紹介するプログラムはあくまでも例です。
音楽療法は目の前の対象者(クライアント)に対し、目標・目的達成を音楽を用いて行うものなので、今回紹介する内容はあくまでも参考程度にしていただければと思います。
高齢者音楽療法のプログラムを行う前に
先ほどもお伝えしましたが、プログラム内容を考えたり選曲を考える前に、必ず音楽療法を実施する目標・目的を決めましょう。
音楽療法は、目の前のクライアントが抱える目標・目的を音楽を用いて達成を目指していきます。
ですから、いきなりプログラム内容を考える前に、必ずこの音楽療法はいったいどんな目標・目的で行うべきかをしっかりを踏まえてください。
高齢者音楽療法のプログラム例1月編①はじまりのうた

音楽療法では、対象者などによっては【♪はじまりの歌】となる歌を歌う場合があります。
なぜ開始時に【♪はじまりの歌】となる歌を歌うのかというと、この歌を歌うことでこれから音楽療法の活動は始まるという意識づけにつながるからです。
高齢者領域の方を対象に音楽療法を行う場合は、認知症のある方を対象に行う場合もあります。
認知症の方の中には見当識障害のある方もいるので、そんな方に対してこれから何をするのかがわかるようにすることで、不安軽減などにもつながるようにも歌います。
高齢者音楽療法のプログラム例1月編②日付確認

【♪はじまりの歌】となる歌を歌った後は、日付確認をします。
さきほどもお伝えしましたが、高齢者の方を対象に音楽療法を行う際、認知症のある方も参加される場合があります。
認知症の方の中には見当識障害がある方もいるので、ここで日付確認を行います。
高齢者音楽療法プログラム例…記念日の話題からコミュニケーションを深める
また、日付確認をする際は【今日は何の日】という記念日の話題から、コミュニケーションを深めていました。
音楽療法というと音楽メインの関わりを行い、言葉を使ったコミュニケーションをあまりしないというイメージの方もいらっしゃるかと思いますが、そんなことはありません。
音楽療法では、対象者によって音楽以外の話題からもコミュニケーションを深める事を大切にします。
一年は365日ありますが、毎日毎日様々な記念日があります。
そんな記念日から対象者の方とコミュニケーションを深める時間にしてみるといいでしょう。
ちなみに私はいつもこちらのサイトを参考にしながら、記念日の話題提供を行っていました。
高齢者音楽療法のプログラム例1月編③季節の歌を歌う

日付確認が終わった後は、季節の歌を歌うことが多かったです。
事前に日付確認をした後に季節の歌を歌うことで、見当識障害のある方も季節感を感じられるようにしていました。
ここではまだ音楽療法活動が始まったばかりなので、歌謡曲などや最近の歌のような難しい歌ではなく、なるべく歌詞を見なくても歌えるような童謡唱歌などを選曲することが多かったです。
が、それも対象者によっては変わってくるところなので、あなたがプログラムを考えられる時は目の前の対象者にあった活動を取り入れましょう。
高齢者音楽療法プログラム例…1月におすすめな季節の歌の例
私が一月の時期に歌っていた童謡唱歌の例として、
- 一月一日
- 富士山
- スキー
- 黒田節
などを選曲しました。
詳しい1月の選曲をもっと見たいという方は、過去の記事にまとめていますので、そちらも合わせて参考にしてください。
高齢者音楽療法のプログラム例1月編④楽器、身体活動を行う

季節の歌を歌った後は、楽器を使ったり体を動かす身体活動を行ないます。。
音楽療法活動が始まったばかりだと、まだ喉も体も温まっていないのですが、ここまでの活動やコミュニケーションで温まった頃合いでこのような活動を行っていました。
ここでの選曲も、なるべく歌を歌いながら楽器を鳴らしたり体をうごすデュアルタスクを達成しやすいよう、難しい歌よりも歌詞を見なくても多くの方が歌えるような童謡唱歌を中心に選曲することが多かったです。
デュアルタスク というのは、二つの動作を一度に行うことをいい、これは認知症予防に効果があると言われています。
デュアルタスクについては過去の記事にまとめていますので、そちらも合わせてご覧ください。
高齢者音楽療法プログラム例…楽器や身体活動の内容にも注意
音楽療法活動では、鈴やカスタネット、タンバリンやマラカスなどの簡易楽器から、トーンチャイムのような珍しい楽器なども使うことがあります。
音楽療法で楽器活動を行う場合は、楽器を選択する際、プログラムを考える前に立ち上げた目標・目的に沿って選択する必要があります。
また、これは身体活動でも同様のことが言えます。
あくまでも活動内容は、目の前の対象者が目標・目的を達せで切るものかどうかを考えながら検討する事を忘れないようにしましょう。
高齢者音楽療法プログラム例…1月の楽器活動例
1月の楽器活動例として、【♪富士山】の曲を使うとしましょう。
この歌を歌いながら、♩〻♩〻|♫♩〻のリズムで楽器を鳴らすというのも、立派なデュアルタスク活動となります。
リズムと曲目はあくまでも例として出しましたが、このような感じで対象者にあった活動を考えてみてください。
高齢者音楽療法のプログラム例1月編⑤鑑賞

体全身を使った後は、休憩も兼ねて鑑賞を行います。
音楽療法では、美的体験を目的とした観賞を行う場合があります。
音楽療法士は音楽家でもあるので、その演奏技術を生かして普段なかなか生の演奏が聴けないという方に対して楽しんでもらう時間を設けます。
高齢者音楽療法プログラム例…1月におすすめな鑑賞曲
個人的に1月と言えば必ず聴くと言っても過言ではない、【♪春の海】をよく鑑賞で弾いていました。
お琴などで弾ければ一番雰囲気が出るのでしょうが、なかなかお琴は用意できなかったのでピアノ演奏でお届けすることが多かったです。
高齢者音楽療法のプログラム例1月編⑥歌謡曲の歌唱

鑑賞で美的体験をしていただいた後、歌唱活動を行う場合が多かったです。
ここではプログラム開始時の選曲とは違い、歌謡曲や最近の人気のある曲などを選曲していました。
高齢者音楽療法プログラム例…1月におすすめな歌謡曲
1月によく選曲していた歌謡曲として
- 雪山讃歌
- 山男の歌
- 雪国
- お座敷小唄
などを選曲していました。
詳しくは過去の記事にもまとめていますので、こちらも参考にしてください。
高齢者音楽療法のプログラム例1月編⑦終わりの歌

音楽活動の最後に、【♪終わりの歌】となる歌を歌っていました。
理由は【♪はじまりの歌】と同様で、この歌を歌う事で音楽療法活動が終わるという意識づけのために歌います。
【♪終わりの歌】として私がよく選曲していたのは、
- 今日の日はさようなら
- 夕焼け小焼け
- ふるさと
- 千の風になって
などを選曲していました。
【♪終わりの歌】も対象者の方に合わせた曲を選曲するようにしましょう。
高齢者音楽療法をより工夫して行うために

私がまだ高齢者領域の音楽療法士として経験が浅かった頃、「もっとあーしておけばよかった」「こんなこともできたのでは」といつもセッションが終わった後に反省ばかりしていました。
音楽療法は経験をしない限り、成長することは難しいです。
そんな高齢者領域の音楽療法で私が過去に感じた赤っ恥や反省を、過去の記事にまとめてみました。
今、音楽療法士を目指している学生の方や、まだ音楽療法士として経験が浅く自信がないという方に参考なれれば嬉しいです。
1月以外の音楽療法プログラム例を知りたいという方は

今回は1月の高齢者を対象とした音楽療法のプログラム例をご紹介しましたが、他の季節のプログラム例も見てみたい、調べたいという方は、過去の記事にまとめています。
興味のある方は、ぜひ下記リンクよりクリックをしてご覧ください。
高齢者音楽療法を依頼したいという方は

今回の記事を読んでみて、実際に音楽療法を受けてみたい、依頼したいと思った方は、個人の方は出張音楽療法を行なっておりますので、お気軽にお申し込みください。
また、出張対象地域外にお住まいの方は、オンラインにて音楽療法を行うサービスもありますので、そちらをご利用ください。
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音楽療法プログラム例~1月の高齢者の方を対象とした実践例付〜まとめ

いかがでしたでしょうか??
今年の1月は全国各地で雪が多く、寒い日が続いていますが、音楽を通じて心身ともあったかくなるような音楽療法活動や介護レクレーションを行ってみてくださいね‼︎
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