初めての場所に不安が強い子供が泣かないで参加できるようになった事例

初めての場所や人に対して不安が強く、ずっと泣いて過ごすことが多かったお子様が、音楽療法に3回ほど参加をすると、次第に泣く回数が減り、今ではお友達と一緒に楽器を鳴らす活動に参加するまでになりました。

(掲載許諾をいただいて、記載をしております)

 

不安が強い子供には気持ちに寄り添うことがカギ

新しい場所でも平気でいつも通り過ごせるお子様もいれば、少しでも見慣れない場所や人を見るだけで一気に不安を感じてしまい、動けなくなってしまうようなお子様もいます。

後者の不安が強いお子様に対して、私は絶対に無理に参加させるようなことはしません。

その代わり、その子の不安に寄り添うような音楽を、即興で奏でます。

よく、児童を対象とした音楽療法では、トトロの「さんぽ」のような明るくポップな音楽しか使わないと思われる方もいらっしゃいますが、音楽療法では、子供だから子供っぽい曲を使うという固定概念はありません。

音楽のいいところは、言葉にしにくい感情や思いを、音に乗せて表現できること。

このお子様は最初、セッションルームに入ると大泣きしていましたが、そんな子供に優しく寄り添いながら、気持ちに寄り添うような音楽を即興で演奏し続けました。

優しくも悲しい、ゆったりとしたテンポのマイナー調の音楽を繰り返し演奏することで、徐々にお子様の泣き方が落ち着くことができました。

 

自分を受け入れてくれる環境が不安を和らげる

音楽療法開始3回目。

いつも通りに泣きながらの入室でしたが、いつもと泣き方は異なりました。

講師が挨拶の歌をウクレレで優しく歌いかけると、「これから音楽活動が始まるのかな」と思ったようで、自ら泣き止み、そして挨拶の歌の途中で名前を呼ばれると、笑顔を見せてくれました。

音楽療法は不安が強いお子様を対象に行う場合は、なれるまで同じプログラムを繰り返し行うことがあります。

それは数回同じ活動を繰り返すことで、だんだんと「やったことがある」という過去の経験から、徐々に不安が減ることにつながる場合があるからです。

このお子様も3回ほどですぐに活動に慣れ、気持ちを自ら切り替えて参加できるようになりました。

これからどんな姿を見せてくれるのか楽しみです。

川崎市内にて行う発達障害などの児童対象の個別音楽療法のご案内