先日、児童を対象に行った音楽療法にて、「いつもは落ち着きがないんです」と親御様やその子に関わる保育者などから思われているお子様が、音楽療法セッション中に3分間もその場から離れず、じっと太鼓演奏をする様子が見られました。
(掲載許諾をいただいて、記載をしております)
「子供が落ち着かない」というのは本当なのか?
音楽療法を受けられるお子様の中には、いわゆるADHDの特性とも言われる落ち着かないことを理由に参加されるお子様がいらっしゃいます。
例えば、保育園や幼稚園などの集団生活の中で、先生のお話を聞くときにじっと椅子に座っていられなかったり、活動中にその場を離れる、いわゆる離席をしてしまうお子様に対して、「落ち着きがない子」と感じられるケースが非常に多く感じます。
ですが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
音楽療法を学ぶ中で、先入観を持ち過ぎずに取り組むという話を受けたことがありますが、私は音楽療法を始めて受けられるお子様に関する情報は、必要最低限しか聞きません。
なぜかというと、あまりに様々な情報を保護者様や保育者、幼稚園教論の方々から聞くと、先入観でその子を見てしまい、客観的な視点でお子様を見ることができなくなるからです。
今回、この事例のお子様に対しても、必要最低限な情報のみ聞いて、すぐに音楽療法活動をしました。
すると、セッション3回目以降からどんどん意欲的に参加するようになり、ついに先日、3分間もその場を離れずに太鼓演奏をしたのです。
適した環境を作るだけで、落ち着かない子ではなくなることも
先ほどあげたような【落ち着かない子】と思われる子がそのように見られる理由は、100人いれば100通りです。
ですので、どんな音楽をすれば落ち着くのか、というテクニック的なものはありません。
ですが、やるべきことは、その子にとって集中しやすい環境で、その子が「やりたい!」と感じる楽器を用いて、その子に適した即興演奏を行うことで、その場にとどまり活動できることにつながるケースがあります。
今回の事例もまさにそうで、その子にとって集中しやすい環境で、その子が好きな太鼓という楽器を準備し、その子が奏でる音に適した即興演奏を行うことで、3分間も集中して演奏することができました。
おそらく、今後も音楽療法を継続していくことで、ますます集中力が伸びる可能性があります。
音楽療法士として、今後の成長が非常に楽しみです。




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