「音楽療法をすることで、子どもの発達障害が治るのでしょうか?」
というご質問をいただきました。
この発達障害が治るのかどうかについては、様々な意見や考えが存在しますが、ここではあえて1人の音楽療法士である、私個人の考えについて述べさせていただきます。
【発達障害は治るのか?】そもそも発達障害は病気ではない
まず、根本的に発達障害は脳の機能特性のことなので、病気ではありません。
ですから、そもそも治るもの・治らないものという概念ではないということです。
ただ、私がこれまで何百人もの発達障害のある子どもや発達がゆっくりな子どもに、音楽療法の実践をしてきて思うことがあります。
それは、どんな子どもも、その子に合った環境で、その子が持っている特性のチカラを大きく成長させるチカラを持っていること。
これはいつも私が話していることですが、障害があろうとなかろうと、どんな人間も自分に適した環境であれば、人は遺憾無く自身が持つチカラを最大限に発揮することができます。
私の話にはなりますが、私は会社員として働いている時は、どんなに頑張っても他者と協調性をもって働くことが本当に苦手でした。
その結果、多くの人とぶつかり、思うような実績を出すことはできませんでした。
昇進することも一度もありませんでした。
しかし、会社員から独立をした瞬間に、自分がやりたかったことを、なんでも、自由に活動することができる環境に身を置いたことで、ありがたいことに今でもお仕事をいただけています。
会社員は4年しか続かなかったのに、10年も独立して活動できているということは、独立という環境が私に適した環境だったということでしょう。
人はそのくらい、環境というもので左右される生き物です。
発達障害のある子どもも、適切な環境、そして支援を早期に提供することで、大きくそのチカラを発揮することができます。
音楽療法では、ものを減らして集中できる場にする、集団ではなく個人セッションで行うなど、その子が参加しやすい環境設定で行います。
なぜなら、この環境設定こそが適切な音楽を用いた支援を行うことで大切だからです。
【発達障害は治るのか?】環境以外に必要なもの
また、環境設定以外にも、どんな子どもでも今後の人生を生きていく上で大切なのが、適切な支援です。
先ほども述べたように、発達障害は脳の特性機能なので、一口に【発達障害】と言っても100人いればその特性は異なります。
あなたの子どもはいったいどのような特性を持っているのか。
その特性が、子ども本人、あるいはサポートする周囲の人間が困り感を抱くものであれば、どうサポートすることで困り感を減らすことができるのか。
そのために、子どもたちを支援する人間に求められるのは、観察力です。
音楽療法では、その子が持つ特性を見ながら、音楽を用いて一人ひとりに適した音楽支援を行います。
目の前の子どもにとって、いったいどのような音楽支援が必要なのかを見極めるためには、知識だけではなく、経験も求められます。
ある子は、楽器を用いたやりとりを行うことで、人とコミュニケーションをすることを少しずつ学ぶかもしれない。
ある子は、歌を用いた活動を行うことで、自分の気持ちのコントロールがしやすくなるかもしれない。
音楽療法では、この障害にはこのアプローチをするという、いわゆる処方箋のようなものはありません。
音楽療法士の持つ知識・経験を活かしながら、子どもが持つチカラを、音楽療法士は音楽で引き出すように働きかけるのです。
【発達障害は治るのか?】どんな子どもも必ず成長・変化をする
そして、私はこれまでの経験から強く思うことがあります。
それは、度合いは一人一人異なりますが、どんな子どもも必ず成長、変化をします。
これは、障害が治るという意味でお伝えしているわけではありません。
ただ、どんな障害のある子どもだろうと、子どもたちは成長し、変化をします。
ですから、もし、今「子どもの発達障害は治るのか」と不安を抱えている方がいましたら、発達障害が治る・治らないという観点で見るのではなく、「障害があっても必ず子どもは成長する」という視点で見てほしいのです。
その子らしく成長するサポートを音楽で行う、それが音楽療法。
そんな音楽療法を体験したい方、いつでもお待ちしております。




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