発達障害のあるお子さんの育てにくさで、いただくことが多い親御様からの悩みは「コミュニケーションがうまくいかない」というものです。
「言葉が出にくい」
「目を合わせない」
「気持ちが伝わらない」
そう感じることで、親御さんの心は疲れ、孤独を感じることも多いと思います。
言葉が少なくても、目が合わなくても、親子で何かを共有したい、つながりたいと願う気持ちは強いと、私はいつも感じます。
けれど、どうしたらいいか分からず悩んでいる方が多いのも現実です。
音楽療法では、言葉以外の方法でコミュニケーションを試みます。
音楽の雰囲気やその子発する難語などの声の抑揚、音のリズムやメロディー、振動や強弱など、目に見えない“感じるもの”を使って、子どもと関わる時間をつくります。
音は、直接的な言葉よりも感覚に届きやすいことがあると私は感じます。
そしてそれによって、親子の間にゆるやかな“つながり”が生まれることにつながるケースがあるのではないか、とも考えています。
音楽療法は、子どもの「できること」や「できたこと」だけに注目するのではなく、その子自身の感じ方や反応を大切にします。
コミュニケーションが難しいお子さんにとっては、言葉を使わずに心を通わせられる時間が、安心感につながることもあると私は考えます。
無理に声を出さなくていい。
無理に話そうとしなくていい。
音を通じて、伝えたい気持ちが少しだけ表現できるかもしれません。
コミュニケーションの悩みは簡単に解決できるものではありません。
でも、親子でゆっくり向き合い、音の世界に身を置くことで、ちょっとした変化が見えてくることがあります。
もし今、お子様の言葉や気持ちの伝え方に悩んでいるなら、“音楽療法”という選択肢があることを知ってもらえたら嬉しいです。
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