みなさん、こんにちは。
音楽療法士&リトミック講師の柳川まどかと申します。
私は発達障害のある親御さんのお悩みなどを時折ネットなどで検索し、調べることがあるのですが、
「発達障害のある子供に何かを習わせたいけど、どんな習い事がいいかわからない」
「障害のある子供に何かしたいけど、習い事を始めることに不安を感じる…」
「過去に習い事でトラブルを起こしたことがあるので、新しい習い事を始めるのに不安がある…」
など、発達障害がある子供の習い事に関するお悩みを見かけることがよくあります。
私はこれまで児童と高齢者の方を対象に音楽療法を行う中で、発達障害のあるお子さんを対象に音楽療法を行うことがたくさんありましたが、これまで音楽療法を実践してきて思うこととしては、発達障害のある子供に何か習わせたいけど不安を感じるという方におすすめしたいのが、音楽療法であります。
音楽療法は習い事ではないのですが、音楽療法では音楽を通して子供たちが楽しみながら言語コミュニケーションや社会的相互作用などの改善のエビデンスがあります。
(引用:日本音楽療法学会 関東支部)
今、もし障害のある子供に「何か習い事をさせたい」と思ってはいるものの、過去にトラブルになってしまった経験や、習い事をさせることに不安があるという方は、音楽療法を始めることで習い事に対する不安が軽減されたり、トラブル減少につながることがあるかもしれません。
そこで今回は、なぜ障害のある子供に音楽療法をおすすめしたいのかについてお話をまとめてみました。
発達障害のある子供に習い事をさせたいけど不安がある
先ほども挙げましたが、これまで発達障害に関する親御さんの悩みをネットで検索する中で、何か子供にとって刺激になればと思い、習い事をさせたいと考えていても、他の子供とトラブルになってしまったり、習い事をさせることに不安を感じる…そんな声をネット上で時折見かけることが多々あります。
親御さんとしては、子供にとって何かできることがあればやらせてあげたいと思う方はたくさんいらっしゃるかと思いますが、障害のあるお子さんだと習い事を始める前に「大丈夫かな」など不安に思ってなかなか習わせることができないという方も多いのかもしれません。
そこで、そんな方におすすめしたいのが音楽療法であります。
発達障害のある子供の習い事の前に…音楽療法とは??
まず先にお伝えしたいことは、音楽療法は習い事ではありません。
音楽療法は音楽を用いたセラピーです。
なぜ習い事ではないのに、私が発達障害のある子供に習い事をさせたいけど不安を感じている方などに音楽療法をおすすめしたいのかというと、音楽療法というのは音楽を用いて
- 楽しみながら
- 社会性を学んだり身につけたり
- 適正行動を学習したりする
そんな内容となっているからです。
発達障害のある子供の習い事の前に…音楽療法は楽しみながら学べる
最初にお伝えしたい音楽療法の1番の魅力として、音楽療法は音楽を用いることで楽しみながら社会性を学んだり、身につけていくことができます。
一見、何かを学んだり身につけようとすると、一生懸命黙々と頑張るというイメージをしてしまいそうだったり(それは私だけ??)、ピアノやお習字などの習い事というと宿題などをしっかりやってマンツーマンでつきっきりで指導する…という映像を思い浮かばれる方が多いかと思いますが(これも私だけ??)、音楽療法は習い事ではないので、何かの技術向上のために行うのでなく、対象となるお子さん一人ひとりの目標・目的に合わせた音楽活動を行います。
例えば、体を思い切り動かすのが好きな子供に対しては、体をめいっぱい動かす活動を行ったり、楽器が好きな子供に対しては楽器をメインにした音楽活動を行ったりするなど、音楽療法では一人ひとりの子供に合わせた音楽活動を行いながら、
- 言語コミュニケーション
- 社会的相互作用
- 社会的情動相互作用
などを改善させると言われています。
発達障害のある子供の習い事に対する不安を軽減させることにつながる
先ほども挙げましたが、音楽療法は習い事ではないのでピアノや水泳などのように何か技術向上を目指すということはしません。
音楽療法で行うのは、今、障害のあるお子さんが抱えている
- 会話中に必要以上に相手に近づく
- 他者との会話を適当なところで打ち切ることができない
- お友達とうまくコミュニケーションを取ることが難しい
- 落ち着かなくてすぐに離席してしまう
などの不適応行動を音楽を用いて適切な行動へと変えていくように行う(行動変容)などです。
ですから、いきなりピアノや水泳、そろばんやお習字など技術向上のための習い事を始めることに不安を感じる、または過去にトラブルを起こしてしまい習い事に対して抵抗があるという方にこそ、まず音楽療法で楽しみながら他者との関わりや社会性などを学ぶことで、少しずつ言語コミュニケーションが改善したり、他者との関わりが適切になることで、習い事に対する不安軽減につながることもあります。
発達障害のある子供の習い事の前に…音楽療法の具体的な活動例
ここまで、発達障害のある子供に何か習い事を始める前に音楽療法をおすすめする理由についてお話をしてきましたが、ここからは音楽療法では具体的にどのような目標・目的に対してどんな音楽活動が行われるのかについてまとめてみました。
今回紹介する参考引用文献
今回は、いつも私が参考にしている音楽療法の本、【音楽療法–実践者のためのガイドブック】を参考引用文献にさせていただきます。
興味がある方は、ぜひお手に取ってみてください。
発達障害のある子供の習い事の前に…音楽療法活動例①言語機能向上
音楽療法の機能の中には、【向上】というものがあります。
今回参考引用文献にさせていただいた【音楽療法–実践者のためのガイドブック】のなかに、「ママ」「いや」「おう」「はい」以外の言語をしゃべることができなかったCちゃんが、言語機能向上を目標に音楽療法を行い、親しい人の名前の歌を作り歌う練習を繰り返すことで、不明瞭ながらもかなりの人の名前が言えるようになったという例が掲載されています。
この言語機能向上については、過去のブログに詳しく書かせていただきましたので、そちらも合わせてご覧ください。
発達障害のある子供の習い事の前に…音楽療法活動例②行動の変容(修復)
さきほどは音楽療法の持つ機能の中から【向上】についてご紹介しましたが、音楽療法にはこのほかに【修復】という機能もあります。
例えば、自閉症児の中に一定のリズムで手を叩くなどの常同行動をしている人がいるとしましょう(以後、対象児と表現)
音楽療法でこの常同行動をなくすということを目標とした際、強制的に手を叩く動作をやめさせるのではなく、これを対象児本人の表現として捉えます。
音楽療法士が対象児のリズムを模倣し、徐々に違うリズムを引き出し、時間をかけて好きな音楽に合わせた常同行動ができるようにサポートしていきます。
このような活動を繰り返し行い、できるようになったあと、対象児の好きな音楽部分を切り取り、そのフレーズの最初だけ叩く、後半は叩くのをやめておやすみするなどを積み重ね学習することで、常同行動を軽減させることを目標に音楽活動をおこなっていきます。
発達障害児が通う放課後等デイサービス支援員による音楽療法
ここまで読んで、音楽療法には様々な効果があるということをご理解いただけましたでしょうか??
児童を対象にした音楽療法を行うたびに、音楽療法は楽しみながら社会性を学ぶことができるセラピーだといつも感じます。
いやいやトレーニングや療育をやっても、子供自身にそのトレーニングを身につけさせるというのは難しい場合が多いですが、音楽療法では音楽を用いて行うのでそのような雰囲気は一切なく、遊んでいるような楽しんでいるような感覚で社会性や言語コミュニケーションなどを改善に導くことができます。
そんな音楽療法を体験したいという方は、過去に約3年間、放課後等デイサービスでも勤務していた、私柳川の音楽療法をお試しください。
対象地域に当てはまらないという方は、オンラインにて音楽療法を実践しております。
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発達障害のある子供が習い事をする前におすすめしたいと思うことまとめ
いかがでしたでしょうか??
発達障害のあるお子さんに何かさせたいと思う親御さんは、非常に多いかと思います。
しかし、不安に感じて一歩踏み出せなかったり、過去にトラブルを起こしてしまったことから躊躇してしまうという方もいるかもしれません。
そんな方もぜひ一度、音楽療法という選択肢を体感していただき、明るい未来になれればと思っていおります。
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