障害児の子育てをしたことないのに音楽療法士が発言していいのか悩んでいた話

わたしは1児の母である。

しかし、障害のある子の子育てをした経験はない。

この事実、現実がわたしの発信にずっと迷いを与えていた。

音楽療法は障害のある方のみに行われるのではないのだが、やはり音楽療法の対象となる方の多くは、疾患や障害がある方である。

このサイトは多くの人に音楽療法というものを知ってもらい、そして少しでも音楽療法受けてみたいなという方が受けてくれたらいいな、という思いで発信している。

そのために、このサイトブログでは、情報発信をしたり、メッセージを届けてみようと思ったり、役に立つかはわからないが専門家の方向けに発信をしたりしている。

しかし、いろんな発信をする中で私の中でいつも戸惑うのが、自分は障がいのある子どもを子育てしたことがないのに、何か発言をしていいものなのか、ということだった。

そう、わたしは児童と高齢者を専門とした音楽療法をしているので、障がいのある子供を子育てしている親御様の相談に乗ることが多々ある。

その度に、「わたしなんかが言えることなんてあるのか」「てゆーかわたしなんかが言ってもいいのか」という葛藤がある。

もちろん、適当なアドバイスはしてはいけないので、さまざまな質問に答えられるよう、実は毎日子供が起きる2時間くらい前に起きて暗闇の中音楽療法のみならず、発達や心理の勉強をしている。

しかしそれでもやはり質問を受けると「わたしなんかが答えてもいいのか」と毎度そんな思いにさらされる。

だが、冷静に考えてみたら、経験したことしか意見を言ってはいけないとなると、わたしが発言できることってものすごく少ない。

まず、子育てに関してわたしは男の子1人の母親なので、女の子の育児については何も言えない。

しかも息子は今3歳なのだが、子育て3年間しか経験がないわたしに取っては、10歳の子育てなんて未知の未知である。

よく小学生の子供を持つママ友から「可愛いのは今のうちだよ〜」なんて言われるが、そんなことを言われると永遠に子供は可愛いのではと思っていたわたしは「そのうち可愛く無くなるのか⁉️」と不安になったりもする。

話はだいぶそれたが、こんなふうに経験したことしか話せないと自分はどこか無意識に思っていたらしい。

が、そうなるとわたしに語れるものなんて、3歳までの男の子育児についてと、小学校3年生からずっと見続けている「水曜どうでしょう」の話くらいになってしまう。

それほどまでに趣味が少ないわたしなのだが、障がいのある子どもを子育てしたことがなくても、わたしはこれまで3桁名の発達障害のある子どもや発達凸凹のお子様と出会ってきた。

もちろん、世の中には数千、数万人のそんな子どもたちと会った人は山ほどいるだろうが、3桁名の子供に音楽療法を実践してきた人は、そもそも音楽療法士が日本に少ないので、日本でおそらくそんなにいないことだろうと思う。

音楽を用いて支援をしてきて、わたしはこれまで数多くの親御様に家でもできる音楽療育や支援のアドバイスもしてきた。

中には「柳川先生に相談して良かった」と涙ながらに話してくださった親御様もいた。

わたしは地球で1、2を争うほど自己肯定感が低いと自分で思っているのだが、そんなわたしにも人の役に立てることがあるのかと、わたしが感動で涙を流しそうになったこともある。

もちろん、発信活動をしていて楽しいことばかりではない。

後先考えずに発言してやっちまったことなんて山ほどあるし、そんなつもりではない発言をそんなつもりで受け取られてしまい大きなトラブルにだってなったことがある。

そのため、発信をするのは非常にテンションが低くなる活動でもあるのだが、それでもわたしが発信をやめない理由は、音楽療法が好きで音楽療法を広めたいという思いがずっと消えないからだろう。

いつかこの思いがぽっと消えてしまったら突然このサイトもなくなるかもしれないが、今は焚き火のようにパチパチと安定して灯火がついているので、しばらくは発信を続けていく予定である。

よくわたしのもとに、「わたしも音楽療法の発信をしたいです」と相談を持ちかけられることがある。

そしてその相談にはまるでハッピーセットのおもちゃのように「だけど自信がないんです」という言葉がおまけでついてくる。

大丈夫。

なんやかんやでこのサイトを数年運営しているわたしも、自信なんてからきしない。

だけど、音楽療法が好きで音楽療法を必要としている人に届くような発信をしたいと思っているなら、その思いだけで十分に発信はできるはず。

なぜならわたしがその想いだけで発信をずっとしてきているからだ。

ちょっと最近、音楽療法の仕事が多くなっていやんなることが増えてきたけど、やっぱりこの仕事のクリエイティブさって楽しいよねという思いを再確認したくて書きました。

音楽療法の発信をしているあなた、一緒に楽しんでやっていこ♪

私はいつでもあなたの相談をお待ちしております。

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