【高齢者】音楽療法を盛り上げるネタ&工夫7選!!~集団セッション編~

(2020年6月30日更新)

みなさん、こんにちは^^

音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。

最近、私のTwitterに毎日のように音楽療法士を目指す学生さんからDMをいただくのですが、寄せられる相談の中に「音楽療法の実習が上手くいくか心配です…」「初めての音楽療法の実習で失敗をしてしまいました」という内容が多いです。

私自身も、学生時代の音楽療法の実習では大失敗を繰り返してしまった経験があり、時間を戻せるなら「もっとこうしたらいいよ!!」と自分自身に言ってあげたいものです。

ということで、今回はそんな過去の私のように、今、音楽療法の実習に不安を抱える学生さんや新米音楽療法士さんにおススメする音楽療法のネタ&工夫をご紹介します。

これを読んだ後は、できるものから積極的に実践して下さいね。

 

【高齢者】音楽療法を盛り上げるネタ&工夫7選!!の動画を見たい方はこちら

今回のブログは、全部読むのに大体3〜5分ほどかかると思いますが、文字を読むよりも動画などでみたり聞いた方がより理解できるという方は、今回のブログ内容を話したYouTube動画を用意しました。

よろしければそちらもご覧ください。

 

音楽療法の実習で失敗した体験談

私も大学時代に音楽療法の実習に行きましたが、正直言って今でも思い出したくないくらい失敗をしました。

もちろん、いきなり上手にセッションを進行できる学生はどこにもいないとは思いますが、それにしても「もう少しこうしておけばよかった」という後悔が非常に残る実習となってしまいました。

では、一体私が学生時代の音楽療法実習の時に、どんな失敗をしたのか。

今回は、高齢者領域の集団セッション実習での失敗について具体的に説明していきましょう。

 

【高齢者音楽療法】学生&新米音楽療法士あるある①予定時間よりも早く終わる

まず、私が学生時代の音楽療法実習でやらかしてしまった失敗談というのが、セッション予定時間よりも早く終わってしまったというもの。

例えば、予定では50分セッションとしてプログラムを組んでいたのにも関わらず、気づけばセッション開始30分でプログラム内容全てを終えてしまう等、このようなパターンはなれない内に非常に多いです。

時間配分は正直慣れなところがあるので、これからどんどん経験を積み重ねていけば自然と身に付き解消されますが、実習時に予定よりもセッション時間が早く音楽療法が終ってしまうのは、もったいないですよね。

実習時は緊張のあまり早口になってしまったり、進行速度も無意識の内に早くなってしまいがちなので、事前準備が必要です。

 

【高齢者音楽療法】学生&新米音楽療法士あるある③淡々とプログラムを進めてしまう

初めての音楽療法実習は、緊張のあまり音楽療法のプログラムを進めるだけでいっぱいいっぱいになりがちですが、淡々とプログラムをこなすだけでは音楽療法的効果はなかなか生まれません

プログラムに使用した歌から、作られた年代の頃のお話、歌詞の中に出てくる昔懐かしいものなど、話題を上手に広げていかなければ、ただ用意した歌を歌って終わってしまうだけになります。

初めから上手く音楽療法セッションができる人はだれもいませんが、プログラム進行を進めるだけではなく、集団セッションを盛り上げる工夫も必要です。

 

【高齢者音楽療法】学生&新米音楽療法士あるある②鑑賞の時間ばかりになる

音楽療法の中で、専攻楽器や演奏を行う美的体験を目的とした鑑賞活動を行われることがありますが、実習時に多いのが音楽療法活動よりも鑑賞の時間が多くなってしまいがちということ。

確かに、音楽療法士となるもの、音楽家として鑑賞活動を行うことは大切ですが、音楽療法実習のメインは音楽療法活動です。

自身の演奏の腕を見せる時間にセッションのほとんどの時間を使うのは、決していいこととは言えません。

 

【高齢者音楽療法】実習では積極的に色んな事に挑戦しよう!!

先ほど、音楽療法の実習にあるあるなことを挙げさせていただきましたが、これらは全て私自身が学生時代に体験した失敗談でもあります。

音楽療法士を目指す学生さんが、いきなり素晴らしい実習ができるわけはないのですが、それでももう少し実習時に工夫をしておけば、音楽療法士として働いた時に労することは少なかったかもと感じています。

そこで、ここからは過去の私のような音楽療法実習が上手くできないという学生さんや、初心者音楽療法士の皆さんでも、今日から高齢者領域の集団セッションを一気に盛り上げられるネタ&工夫をいくつかご用意いたしました。

これから音楽療法の実習を行う人や、まだまだ自分のセッションに自信が持てないという方は、ぜひ参考にして下さいね。

 

【高齢者音楽療法】盛り上げるネタ&工夫①歌詞を読む

これから歌う歌詞を読むことは、音楽療法を行う中で非常に大切です。

まず、歌詞を読むことで声を出す発声練習になります。

そして、歌詞を読みながら漢字の読み方を知ったり、当時の様子を振り返ったりと、歌を通して様々な発見や回想に繋がることもできます。

初めての実習や集団セッションでは、緊張のあまり歌詞を読まずにすぐに歌い出してしまいそうですが、ここは一呼吸おいで参加者の皆さんと一緒に歌詞を読むことで、セラピスト自身の緊張もやらわげることができるので、学生さんや初心者音楽療法士の方にはぜひ実践してほしいです。

 

【高齢者音楽療法】盛り上げるネタ&工夫②実物を見せる

歌詞を読んだ後に、歌の中に出てくる当時を振り返る実物を持ち込めるようでしたら、実物を用意することもおススメです。

私は学生時代の実習で、「♪あめふり」の歌を使用した際に一緒に音楽療法を行った同級生が歌の中に出てくるじゃのめを持っており、セッションに持っていくと対象者の皆さんから「なつかしい!!」と非常に高評価でした。

このほかにも、「♪海」の歌を歌う際に、本物の貝殻をお見せすると、「昔、海に行ってこんなのたくさん拾ったよ」という昔話を聞くことにもつながりました。

童謡・唱歌の歌の中に出てくるものは、今ではあまり見かけなくなったようなものなどが登場することが多々あるので、もし、歌の中に出てくる当時を振り返られるものがあれば、用意するといいでしょう。

もちろん、用意した物をセッションに持ち込む際は、施設側や実習指導講師に持ち込んでいいか必ず確認をしましょうね。

 

【高齢者音楽療法】盛り上げるネタ&工夫③写真を見せる

もし、先ほどのような歌の中に出てくるものの現物が用意できない場合は、写真を用意するといいでしょう。

例えば、「♪浜辺の歌」を歌う際に綺麗な浜辺の写真を用意したり、「♪スキー」の歌を歌う際に昔のスキーの写真を用意したり…。

現物が用意できなくても、ネットなどを活用して写真を用意することでも、対象者の方は当時を振り返ることができます

また、最近では家庭用プリンターでも大きく印刷することが可能なので、人数に応じて参加者全員に見えるように者試飲を提示する工夫をしましょうね。

 

【高齢者音楽療法】盛り上げるネタ&工夫④イントロクイズ

歌謡曲などを歌う際におススメなのが、イントロクイズ形式でこれから何の歌を歌うのか考えてもらうこと。

昔の歌謡曲の中には、「♪リンゴの唄」「♪青い山脈」などイントロを聴いただけで「○○の歌だ!!」とすぐに気づく歌がたくさんあります。

また、イントロを聴いて何の歌か考えていただくことも、脳の活性化に繋がります。

 

【高齢者音楽療法】盛り上げるネタ&工夫⑤輪唱する

輪唱とは、パートに分かれて歌を追いかけっこするという歌い方

この輪唱活動は、他のパートにつられないように歌ったりなど、脳を活性化してくれます。

日本の歌には、輪唱できる歌の種類がたくさんあります。

代表的な歌として、「♪ほたるこい」「♪かえるのうた」「♪静かな湖畔」「♪紅葉」などがあります。

この輪唱活動では、セラピストとアシスタントが輪唱が上手く成立するように、上手にリードをしながら行うことがポイントです。

もし、アシスタントがいなく、セラピスト一人だけのセッションの場合は、施設スタッフに協力を得て行うといいでしょう。

 

【高齢者音楽療法】盛り上げるネタ&工夫⑥動きながら歌う

このブログでもこれまでお伝えしてきたように、動きながら歌うということは、二つのことを同時に行うデュアルタスク活動と言えます。

このデュアルタスク活動は、脳を活性化させ認知症予防に効果があるとも言われています。

デュアルタスクについては、過去のブログに詳しく掲載しているので、そちらをご参考にしてください↓

高齢者の脳トレは音楽を使えば効果的!!音楽療法士が教える脳トレ方法

 

【高齢者音楽療法】おススメデュアルタスク活動~3拍子~

学生さんや新米音楽療法士さんでも、簡単に取り入れらるデュアルタスク活動の中でもおススメなのが、3拍子の活動です。

3拍子の歌を歌いながら、グー→パー→パーと動かしたり、グー→チョキ→パーの3つの動きを行うだけでも、認知症予防となります。

このとき、歌の伴奏を付けてしまうと、歌よりも動作に集中して歌うことを忘れてしまう参加者も出てきてしまう場合があるので、セラピストがアカペラでリードをした方が、歌と動作の二つの動きに集中しやすい環境が作れます

 

【高齢者音楽療法】盛り上げるネタ&工夫⑦もう一度歌う

私はこれまで数多くのセッションを見学してきましたが、意外に行われていないのが、同じ歌をもう一度歌うということ。

これまで紹介してきたネタ&工夫のように、歌詞を読んだり、歌の中に出てくる懐かしのものを見て触れたり、写真を見てイメージしたりしてきたところで、すぐに次の歌に移行してしまう学生さんがなんと多いことか…。

もちろん、必ず同じ歌を二回歌うことがいいということではないのですが、せっかく歌の理解や思いが深まったところで次の歌にいくよりも、もう一度歌って思いを深めた方が参加者の満足度は変わるのではないか、と私は考えます。

まだ学生さんだったり、新人の音楽療法士の方には抵抗があるかもしれませんが、参加者の皆さんの反応を見て「もう一度歌った方が良さそう」と感じた場合は、自信を持ってもう一度歌ってみて下さい。

 

【高齢者】音楽療法を盛り上げるネタ&工夫7選!!まとめ

いかがでしたでしょうか??

ブログの中でも書かせていただきましたが、いきなり上手に集団音楽療法ができる人はいません。

どんな人でも繰り返し経験を積み重ねて、一人前の音楽療法士となります。

しかし、実習で様々なことにチャレンジしていかないと、いざ音楽療法士として稼働した際に困るのはあなた自身です。

音楽療法士として働いた時に困らないように、学生の実習時の内から色んなことに挑戦して、あなただけの音楽療法を確立していってくださいね^^

陰ながら応援しております!!