障害児の音楽レクレーションを行う際の音楽療法士的ポイント

「障害のある子どもに対して、どんなレクレーションがいいのだろうか」

「リトミック活動を障害のある子にしているけど、これでいいのだろうか」

そんな不安や疑問を持ったまま、レクレーション活動をしてはいませんか?

こんにちは。

私は、日本音楽療法学会認定音楽士の柳川円(やながわまどか)と申します。

これまで音楽療法士として、主に高齢者と障害のある児童を対象に実践を行ってきました。

自身がセラピストとして音楽療法を実践するだけではなく、児童を対象とした音楽療法についての講義や指導の経験もあります。

日頃、このような活動をしていると、最初に挙げたような質問や疑問をいただくことがよくあります。

そこで今回は、障害のある子供を対象とした音楽レクレーションを行う際に、音楽療法士として抑えるポイントをまとめてみました。

今、障害児を対象にレクレーション活動をされている方や、障害のある子どもにリトミックなどの音楽活動をされている方は、是非参考にしてみてください。

 

【障害児の音楽レクレーション】音量には細心の注意

まず、障害のある子どもに対して音楽レクレーションを行う際に、一番細心の注意をするポイントは、音量です。

発達障害のある子の中には、聴覚過敏の子供もいます。

私たちにとっては心地よい音量でも、聴覚過敏の子供にとっては大音量に聴こえてしまうということは、珍しい話ではありません。

ですから、アップライトやグランドピアノを使用する場合は、ピアノの蓋を閉める、弱音ペダルを踏む、キーボードや電子ピアノの場合は、マスターボリューム(全体の音量)を半分くらいにするなどして、音量を小さめに設定しておきましょう。

【障害児の音楽レクレーション】小さい音の方が集中することも

子供たちがワーワー大きな声で騒いでいたりすると、ついつい大人側も「コラー‼︎」「静かにしなさーい‼︎」などと大きな声で叱りたくなりますが、私の経験上、大きな声で注意するよりも小さな音で関わりを持った方が、子供たちは集中するようなことが多いです。

例えば、子供たちが大きな声で騒いでいたら、グラビティーチューブを静かに鳴らしてみたり…

※グラビティチューブというのは、こんな楽器↓

歌を歌うぬいぐるみのスイッチをつけたり…

こんな感じで、小さめな音の方でアクションをした方が、子供たちは「なになに??」とこちらに意識を向けてくれるケースが非常に多かったです。

ですから、ついつい大きな声で注意したくなりそうになったら、まずは小さな音で関わってみる方法はないかを考えてみてはいかがでしょうか??

 

【障害児の音楽レクレーション】集中力が続く曲の長さにする

音楽レクレーションを行う際、様々な楽曲を選曲するかと思いますが、曲の長さも選曲の大切なポイントです。

というのも、あまりにも長い曲では障害のある子供たちの中には集中が続かない子もいます。

特に、ADHD傾向のある子供がいる場合は、長めの曲を選曲することは避けましょう。

【障害児の音楽レクレーション】私がよく使用する曲

そうは言っても、一体どのくらいの長さの曲が集中が続きやすいのかわからないですよね。

私は未就学の子供達を対象とした場合、割と8〜16小節ほどの曲を選曲する場合が多いです。

具体的な曲名を挙げると

  • キラキラ星
  • 大きな太鼓小さな太鼓
  • ながぐつマーチ
  • うみ
  • こいのぼり
  • 春が来た
  • もみじ

などなどが短めな曲としてよく使用します。

季節の童謡唱歌は、幼稚園や保育園でも馴染みがあり、曲の長さも短いものが多いのでおすすめです。

また、もう少し長めの曲でも子供たちによっては使用する場合があります。

例えば

  • さんぽ
  • アイアイ
  • どんな色が好き

などは頻繁に使用しています。

対象の子供の集中力になった選曲をするように心がけるといいでしょう。

 

【障害児の音楽レクレーション】音数を少なくする

音楽レクレーションでは、指導する先生がピアノ演奏をされる場合がほとんどかと思いますが、伴奏する際は音数を少なくするといいでしょう。

ついつい人間、指が10本あると全ての指を使って演奏したくなってしまうのですが、子供たちからすると音数が少ない方が聞きやすかったり、子供たちの動きに合わせて伴奏をしていると、音数が少ない方が自分がどのように動いているのか聞き取りやすくなるのです。

これは、実際にご自身で体験されるのが一番理解できるかと思います。

試しに、誰かにあなたが歩く動きに合わせて伴奏を弾いてもらってください。

両手でドミソシのCM7のような和音が4つのゴージャスな伴奏よりも、両手でもドソの2音だけ和音、どちらが聞き取りやすいのか、体験してみましょう。

実際に伴奏の違いを知ることによって、子供達側の気持ちが分かり、音楽レクレーションで適切な伴奏が理解できます。

 

【児童の音楽レクレーション】実際の音楽療法士による音楽レクレーションを見てみたい方は

今回の記事を読んでみて、実際に音楽療法士が障害のある子供を対象とした音楽レクレーションを行うとどんな風になるのか、気になった方もいらっしゃるかと思います。

もし、興味がある方は、現在一部地域限定ではありますが、初回無料でセッションをしておりますので、お気軽にお申し付けください。

川崎市・東京都内(一部)個人宅や施設への出張音楽療法のご案内

 

障害児の音楽レクレーションを行う際の音楽療法士的ポイントまとめ

いかがでしたか??

放課後等デイサービスや児童発達支援事業などで、障害のある子供向けのレクレーションを考えている方がいましたら、ぜひ参考にしてみてください。

子供たちと一緒に音楽で楽しい時間を♪

ではまた⭐︎