みなさん、こんにちは。
音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
昨年度末の音楽療法界のビックニュースのひとつに、名古屋音楽大学でノードフ・ロビンズ音楽療法士の資格取得が可能になったというニュースがありましたね。
日本でノードフ・ロビンズ音楽療法士の資格が取れるということはとてもすごいことなので、このニュースに驚いた方は多かったのではないでしょうか。
そんな名古屋音楽大学で、再びノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程の正式な講座が開催されるということが発表されました‼︎
そこで今回はノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座について詳しくまとめてみました。
今、ノードフ・ロビンズ音楽療法に興味がある方や、音楽療法士としてスキルアップを目指したい方などは必見です‼︎
そもそもノードフ・ロビンズ音楽療法とは何??
講座についてお話をする前に、そもそもノードフ・ロビンズ音楽療法とは何かについてお話ししていこうかと思います。
ノードフ・ロビンズ音楽療法について調べてみると、
米国の作曲家でピアニスト、ポール・ノードフとイギリスの特殊教育者、クライブ・ロビンズとによって創始され、主に即興演奏を用いた個人・集団音楽療法のアプローチ
との記載がありました。
ノードフ・ロビンズ音楽療法の大きなポイントは、即興演奏を用いるという点です。
そのときのクライアント(対象者)の様子などから、適切な演奏や音を提供するのがノードフ・ロビンズ音楽療法の大きな特徴と言えます。
ノードフ・ロビンズ音楽療法の即興音楽を見てみよう
YouTubeで検索してみると、ノードフ・ロビンズ音楽療法のアプローチを作ったポールとクライブによる実際の音楽療法セッションの様子を見ることができます。
今回はとある子供がセッションをしている様子を例に、ノードフ・ロビンズ音楽療法とは一体どんなものなのかを動画で見ていきましょう。
ノードフ・ロビンズ音楽療法の即興音楽を見るポイント
動画を見てみて、いかがでしたでしょうか??
一見、子供(クライアント)が叩く太鼓にポール(セラピスト)が合わせて弾いているんだ、と思って終わってしまいそうですが、この2分間をよくよく見るととても興味深い音のやりとりをしています。
ここからは、あくまでも私一個人が感じたことを書かせていただきます。
まず、開始すぐはクライアントの音にセラピストが合わせるようにピアノを弾いています。
私はこれまで児童領域と高齢者領域で音楽療法活動を行ってきましたが、このような児童を対象とした楽器活動の際は、トトロの【♪さんぽ】やアンパンマンの【♪アンパンマンのマーチ】などのような元気いっぱいの曲を弾くことが多かったです。
が、この動画を見るとそのような楽しく、元気いっぱいの曲ではなく、少し不安げな雰囲気の音を演奏しています。
このセッションの様子を子供目線で見てみると、セラピストとコセラのポールとクライブというおじさん二人(笑)を目の前にして太鼓を叩く状況は、少なからず緊張してしまうのではないかと思うのです。
まず、ピアノを弾いているポールの顔がめっちゃ怖い(笑)。
この怖い表情から、ポールとクライブは実に真剣にこの子との音楽療法セッションに向き合っているということが伝わってきますが、そんなクライアントとセラピストの少し緊張した関係性が音楽で表現されているように感じます。
そんな音づかいから始まった二人の音楽ですが、次第に太鼓を叩く子供の叩き方に休符が入り、ピアノを弾いているポールも休符を入れながらピアノを弾いています。
まるで二人が駆け引きをしているかのようにも思えるやりとりに感じます。
その後、1:10くらいのところになると、少しビートが安定しきたような、そして時折アッチェレランドするような音楽になります。
ここからの演奏をみていると、一定のテンポやアッチェレランドでポールがピアノを弾いているだけではなく、だんだんとクライマックスに向かうような即興演奏をしているように思えます。
つまり、セラピストであるポールが音楽をどの方向性で奏でるかを決め、そこに向かって即興演奏しているという風に思えます。
そしてそのあとの動画開始から1:40くらいになると、
クライアントの子供の太鼓がより力強くなり、セラピストであるポールも力強い演奏をします。
ここからの二人のやりとりを見ていると、これまでセラピストがクライアントに合わせるという音楽のやりとりだったのが、ここからはクライアントがリーダーとなって音楽を演奏しているように思われます。
何か山登りの頂上に登ったような、そんな一体感を感じるような力強い演奏をクライアントもセラピストもしていますが、奏でられる音はマ○オのゲームでクリアした時のような陽気な音楽ではなく、緊張感を感じるような音づかいをしているので、ここでも二人の関係性が現れているように思います。
しかし、緊張感が感じられる音づかいではありますが、この二人は音でコミュニケーションをしっかりと取っているように感じられます。
始めは一見、セラピストである怖い表情をしたポールに子供も不安を感じてしまいそうですが、この即興を用いた非言語コミュニケーションによるやりとりにより、子供たちは音楽の世界に引き込まれていく様子がこの動画を見てよくわかるかと思います。
このように、子供が音楽の中でビデオに見られた様なリーダーシップや自由、言葉を超えた誰かとの共有体験を獲得していくのがノードフ・ロビンズ音楽療法となります。
※ここまでのセッションについての記載は、あくまでも私個人が感じたことを書かせただきましたことをご理解ください。
今回行われるノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座
そんなノードフ・ロビンズ音楽療法ですが、このサイトの過去のブログでも書かせていただいたように、今年3月にもノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座である、名古屋音楽大学主催オンライン公開講座「ノードフロビンズ音楽療法(NRMT)の歴史と理論」が開催されましたが、今回、6月にも同じ講座が再び開催されることが発表されました。
この講座は通常30時間通しの対面講座ではありますが、今回コロナの影響により前半オンライン15時間、後半対面15時間と時間を分けての開催となってます。
対面での開催だと名古屋まで足を運ぶのが難しいという方や、NRMTについて知りたいけど30時間通して受講するのは大変という方は、今回はオンラインという形式でしかも15時間ごとに分けて受講することができます。
今回の講座は、遠隔からでもNRMTの講座を受講して興味を持っている方にも時間を分けて気軽に学べるチャンスでもあるので、気になる方は是非この機会をご利用ください‼︎
前回のノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座に参加してみて…
実は私柳川、3月に行われたノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座に参加させていただきました。
その時の感想として、二日間15時間という長丁場な講座でしたが、内容がとっても濃く、また貴重な資料や音源などを聴くことができ、とても濃い学びができたと思いました。
二日日間15時間という時間も、思っているほど長くは感じないくらいとても面白い学びができるので、とても楽しかったです。
少しでもNRMTについて知りたいと思っている方は、申し込まれることをおすすめします♪
名古屋音楽大学で来年受験を検討されている方は…
先ほども説明させていただいたように、今回、3月に行われた講座と同じタイトルで6月19日(土)〜20日(日)に名古屋音楽大学主催で再び開催されますが、こちらは3月に行われた公開講座と同じ内容となっております。
もし、3月の公開講座を受講された方はこちらは同じ内容となっておりますのでご注意ください。
ただし、3月の公開講座に参加できず、来年度名古屋音楽でノードフ・ロビンズ音楽療法士の資格取得を目指したい、受験を検討しているという方は、今回6月19日〜20日に行われる講座に参加しなければ受験資格が得られません。
もしこのブログをご覧の方の中に、3月の公開に受講できず、来年度資格取得を名古屋音楽大学で目指すことを考えている方は、必ず参加するようにしましょう。
また、資格取得を目指していないけれども、ノードフ・ロビンズ音楽療法に興味があるのでお話を聞いてみたいという方も参加できる講座となっていますので、お気軽にお申し込みください。
詳しくは名古屋音楽大学HPに記載がありますので、そちらをご覧ください。
7月にノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座の後半が開催
また、3月と6月19日(土)〜20日(日)に開催される、名古屋音楽大学主催オンライン公開講座「ノードフロビンズ音楽療法(NRMT)の歴史と理論」の後半となる講座が7月に開催されることも決定いたしました。
こちらの講座は、先ほどご紹介した3月もしくは6月の講座を受講した方のみが受けられる講座となっており、7月の後半の講座も来年度名古屋音楽大学でノードフ・ロビンズ音楽療法士の資格取得を目指すという方は必須の講座となっておりますので、ご注意ください。
後半の講座は、7月の31日(土)〜8月1日(日)の二日間となっています。
こちらはオンラインではなく対面での受講となっていますので、間違えないようにしましょう。
詳細は名古屋音楽大学のHPにこちらも記載されていますので、参加希望の方はチェックしましょう。
ノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座をもっと知りたい人は…
ここまで6月と7月に名古屋音楽大学行われるノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座について説明してまいりましたが、もっと詳しい情報を知りたいという方もいらっしゃるかと思います。
そんな方は、音楽療法選用楽器メーカー ソニフル代表のいまたつさん(@imai_sonifull)が配信しているVoicyがおすすめです。
6月と7月に行われる講座の違いについてわかりやすく丁寧に説明されているので、講座受講を検討されている方は一度聞いてみるといいでしょう。
名古屋音楽大学でノードフ・ロビンズ音楽療法士育成課程講座が開催‼︎まとめ
いかがでしたでしょうか??
今、音楽療法界で注目を集めているノードフ・ロビンズ音楽療法ですが、日本でこのように学べる機会があるというのはとても嬉しいことですよね。
これからノードフ・ロビンズ音楽療法士を目指すという方はもちろん、音楽療法士としてスキルアップしたいという方は、ぜひこの機会を活用されてみてはいかがでしょうか??
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