音楽療法のやり方(手順)③プログラム実践〜高齢者・児童の実例紹介〜

みなさん、こんにちは。

音楽療法士&リトミック講師の柳川円と申します。

これまで音楽療法のやり方について、アセスメントと目標設定についてお話をしてきましたが、今回はいよいよ音楽療法のプログラム実践についてお話をしていきます。

アセスメントからの目標設定からプログラムを考え、実践していくのですが、音楽療法士としての経験や実践が少ないとどんなプログラムを立てるべきかわからないという方もいらっしゃるかと思います。

今回は、これまで高齢者と児童領域で音楽療法を行なってきた柳川が実際に行っていた実践も交えながら説明させていただくので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【音楽療法のやり方】プログラムの考え方

今回は高齢者・児童領域のプログラムについてお話をさせていただくのですが、どちらの領域でも気をつけていたのは緩急のある内容にするように心がけていました。

私は高齢者も児童もどちらも個別音楽療法ではなく集団での音楽療法を実践していたのですが、集団で音楽療法のプログラムを考える際は「静」の活動と「動」の活動をバランス良く組み込むようにしていました。

なぜなら「静」活動ばかりでも飽きてしまいますし、「動」の活動ばかりでも疲れてしまうからです。

高齢者でも児童でも集中持続させながら音楽療法に参加できるように、メリハリをつけるようなプログラム内容にするように心がけていました。

【音楽療法のやり方】プログラムを実施する時間

また、高齢者・児童領域のそれぞれで音楽療法を行う時間は大体決まっていました。

高齢者は50〜60分、児童は30〜40分で集団音楽療法を行うことがほとんどでした。

この時間設定は、音楽療法を行う施設からの要望だったり、集中できる時間や体力の時間からこの時間内で行うことが多かったです。

 

【音楽療法のやり方】プログラムの実例〜高齢者〜

ここからは、私が実際に高齢者・児童領域で行っていたプログラムの実例を元に音楽療法の実践をご紹介していきます。

まず最初は、高齢者のプログラムの実例をご紹介しましょう。

【音楽療法のやり方】高齢者プログラム①始まりの歌

音楽療法を行う際に、必ず「始まりの歌」となる歌を歌っていました。

「始まりの歌」を歌うことは、これから音楽療法が始まるという意識を向けることや、これから活動が始まるという期待感を持ってもらうという目標があります。

音楽療法では、「始まりの歌」を「ハローソング」などと呼ばれたりもします。

【音楽療法のやり方】高齢者プログラム②見当識

次に、今日の日付などを確認する見当識確認を行います。

高齢者の集団音楽療法を行う際に、認知症の方がいらっしゃる場合があります。

認知症の方の中には、見当識障害が現れる場合があるので、音楽療法活動の中でも日付確認を行い見当識訓練を行います。

また、ここでは日付確認をするだけではなく、「今日は何の日」という話題から対象者の方とコミュニケーションを深める目的で話題提供を行います。

見当識については、過去の記事に詳しく書かせていただきましたので、そちらも合わせて参考にしてみてください。

音楽療法で行われる現実見当識訓練とは??【音楽療法士実践例】

【音楽療法のやり方】高齢者プログラム③季節の歌

見当識確認を行った後は、季節にちなんだ童謡・唱歌を歌います。

見当識を確認した後に、より季節を感じてもらうことを目的にここで季節にちなんだ歌を歌う時間を取り入れています。

季節の歌の選曲は過去の記事に12ヶ月それぞれに合う曲をブログにまとめましたので、そちらも参考にしてください。

12カ月の高齢者領域の音楽療法おすすめな曲はこちら

【音楽療法のやり方】高齢者プログラム④楽器活動

季節の歌を歌った後に、「動」活動となる楽器活動を行います。

集団音楽療法で楽器活動に使用する楽器は、

  • タンバリン
  • カスタネット
  • 鳴子

などの簡易楽器が多かったです。

楽器活動では、歌いながら楽器を鳴らすという二つのことを同時に行うデュアルタスクを行うことで、脳の活性化をはかることを目標にしていました。

また、どのように楽器を演奏するかセラピストの指示を見ながら鳴らすという複雑なこと行うことでの脳の活性化をはかることも目標にしていました。

【音楽療法のやり方】高齢者プログラム⑤歌謡曲の歌唱

楽器活動の後は、ゆったりと歌謡曲を歌唱する時間を設けていました。

最後の歌唱活動では、歌を歌うだけではなく歌詞読みや歌にまつわる写真などを提示することで回想を引き出すことを目標としていました。

回想については過去の記事にまとめさせていただきましたので、そちらも合わせてご覧ください。

音楽回想法とは一体何??高齢者領域の音楽療法士が解説してみた

【音楽療法のやり方】高齢者プログラム⑥終わりの歌

活動の終わりにも、開始時と同様に「終わりの歌」となる歌を歌っていました。

毎回同じ歌を歌って終わることで、終わりの意識をもってもらうためです。

以上、このような流れで大体50分ほどの集団セッションの一つの実例となります。

実際に音楽療法セッションを行う際は、あなたの対象者の方にあった音楽療法プログラムを行うように心がけましょう。

 

【音楽療法のやり方】高齢者プログラムの参考にしていた本

ここまで私が実際に高齢者領域で音楽療法を行っていた実例の一つをご紹介させていただきましたが、ここからは高齢者領域のプログラムを考える際の参考にしていた本をご紹介します。

【音楽療法のやり方】高齢者参考書…QOL向上のための音楽プログラム 1 歌ってリズム! 大人のアンサンブル

楽器を使った活動の参考に使用していたのが、こちらの本です。

昭和歌謡だけではなく最近の曲も掲載されおり、レパートリーの広さも非常に役に立ちました。

QOL向上のための音楽プログラム 1 歌ってリズム! 大人のアンサンブルの本はこちら

【音楽療法のやり方】高齢者参考書…弾き語りキーボードセッション-4 電子歌詞集付 音楽療法の必須100曲

背表紙がぼろぼろになるくらいまで現場で使いまくった本がこちら。

歌謡曲の選曲などの参考にしていました。

高齢者の方が歌いやすいキー(調性)の楽譜になっているのも非常に嬉しい一冊です。

弾き語りキーボードセッション-4 電子歌詞集付 音楽療法の必須100曲の本はこちら

 

【音楽療法のやり方】プログラムの実例〜児童〜

次に児童の音楽療法のプログラムの実例を紹介させていただきます。

児童も高齢者同様、集団音楽療法の形態でのプログラム例となっています。

【音楽療法のやり方】児童プログラム①始まりの歌

高齢者同様、児童領域でも音楽療法を始める際に「始まりの歌」を歌っていました。

「始まりの歌」を歌う理由として、活動が始まる意識を持つということがあります。

また、歌の中で順番にタンバリンを叩いてもらっていましたが、始まりの意識を持つという以外に順番を待つという目的もありました

【音楽療法のやり方】児童プログラム②ゴー&ストップ

「始まりの歌」を歌った後は、ゴー&ストップ活動を行います。

ゴー&ストップ活動というのは、音がなっているときは動き、音が止まるとストップするという即時反応のことを言います。

例えば、トトロの【♪さんぽ】のような音楽の伴奏に合わせて歩き、伴奏が止まったら動きも止めるという活動を行っていました。

ゴー&ストップ活動では、音を聞き分けることで集中力を高めることや、体を動かすことで情動の発散などを目標にして行っていました。

【音楽療法のやり方】児童プログラム③リボン活動

ゴー&ストップ活動で体を動かした後は、リボン活動を行っていました。

リボン活動というのは、音楽に合わせて私が手作りした新体操のリボンを振るという活動です。

このリボン活動は、どこの施設の子供たちにもとても人気な活動だったので、ほとんど毎回のセッションで行われる定番プログラムとなっていました。

リボン活動でも、ピアノの音量が大きい時は大きく円を描くように回し、音量が小さくなると手元でくるくる回すという即時反応を目的としても行っていました。

また、大きくリボンを動かすことで粗大運動、小さくリボンを動かす微細運動も目標の一つにあります。

【音楽療法のやり方】児童プログラム④触れ合い遊び

ここまで体を使う活動が多かったので、「静」活動となる触れ合い遊びを座って行います。

例えば、「きゅうりができた」「ラララぞうきん」などの保育現場でもよく使われる触れ合い遊びの歌に合わせて、支援員やスタッフと子供たちが一対一になって行います。

この活動では、人との触れ合いによるスキンシップや関わり、他者とのやりとりなどを目標にしていました。

ただし、発達障害のお子さんの中には感覚過敏により触れられることが苦手というお子さんもいるので、触れ合い遊びのような活動を行う際は対象者に合わせて行うようにしましょう。

【音楽療法のやり方】児童プログラム⑤歌唱活動

触れ合い遊びの後は、椅子に座って歌唱活動を行いました。

歌唱活動では、童謡・唱歌の歌よりも音楽療法の本に掲載されている本から選曲することが多かったです。

中でもよく使用していたのが、【静かな森の大きな木】の中に掲載されている「♪大きくア」という曲です。

この歌では、大きい、小さいを表現することを目的に選曲していました。

静かな森の大きな木―音楽療法のためのオリジナル曲集の本はこちら

【音楽療法のやり方】児童プログラム⑤楽器活動

次に、楽器活動を行います。

楽器活動では数種類の楽器の中から一つ、一人一人が好きな楽器を選択するようにしていました。

楽器を選択するということは自分で何かを決める、決断する力にもつながるからです。

また、みんなで一緒に楽器を鳴らすことで一体感を感じるという目標もあります。

【音楽療法のやり方】児童プログラム⑥終わりの歌

最後に「終わりの歌」を歌って活動を終わります。

終わりの歌も終わることの意識をつけることを目標に歌います。

私は「終わりの歌」で一人一人順番にツリーチャイムを鳴らす活動も行っていましたが、順番を待つという目標も兼ねて歌っていました。

以上が私が行っていた児童領域の集団音楽療法の実例でした。

 

【音楽療法のやり方】児童プログラムの参考にしていた本

ここまで児童領域のプログラムの実例を紹介させていただきましたが、ここからは私が児童領域の音楽療法のプログラムを考える際に参考にしていた本をご紹介します。

【音楽療法のやり方】児童参考書…心ふれあう セッション ネタ帳 For Kids

児童領域の音楽療法のネタがたくさん詰まった一冊。

児童領域で音楽療法をされている方は、持っていて損はない一冊と言えます

心ふれあう セッション ネタ帳 For Kidsの本はこちら

【音楽療法のやり方】児童参考書…音楽で育てよう 子どものコミュニケーション・スキル

私が児童領域の音楽療法を始めたときに、ものすごく参考にしていた一冊。

子供に親しまれやすい曲が多いだけではなく、挿絵も可愛いので見ているだけで癒される一冊です

音楽で育てよう 子どものコミュニケーション・スキルの本はこちら

 

【音楽療法のやり方】目の前の対象者にあったプログラムを

今回は、私が実際に行っていた高齢者と児童領域の音楽療法のプログラムの実例を紹介させていただきましたが、あくまでもこれは一例です。

もし、この記事を参考にプログラムを考えられる場合は、あなたの対象者にあった形でプログラムに取り入れるようにお願いいたします。

 

音楽療法のやり方(手順)③プログラム実践〜高齢者・児童の実例紹介〜まとめ

いかがでしたでしょうか??

これから高齢者や児童領域で音楽療法を行うという方は、今回の記事を参考にしながら目の前の対象者の方にあったプログラムを考案してみてくださいね。

素敵な音楽の時間が過ごせますように、応援してます‼︎

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