「また療育に行きたくないって泣いてしまった」
時折、お子様のそんな場面に出くわすことがあります。
お子様が療育を嫌がる理由は本当にさまざま。
でも療育への行き渋りが続くと、親御さん自身も「本当にこのままでいいの?」と悩み始める方が多いと思います。
「療育は大切」とわかっている。
「でも、毎回泣き叫ぶ子を見るのがつらい」
そんなふうに、行かせたい気持ちと、やめさせてあげたい気持ちの間で揺れている方は少なくないといつも感じます。
「逃げてるのかもしれない」
「でも、子どもの心を壊したくない」
その葛藤の中に、たくさんのやさしさと責任感が詰まっていることを、私はいつも感じます。
子どもの状態やタイミングによっては、「今はちょっと療育に関しては立ち止まったほうがいい」と感じることもあるかと思います。
もちろん、療育そのものを否定するわけではありません。
でも「行けない時期」や「合わない形」があるのも、また自然だと私は考えます。
そこで大切なのは、【別の形で子どもと関わる選択肢を持っておくこと】です。
音楽療法は、強制することはありません。
ピアノ教室の音楽教室のように、技術的にうまくやることも求めません。
ただ“そこに音がある”だけで、子どもが少し心をひらくことがあります。
音楽療法は、そんな音との関係性を通して、今できる関わり方を音楽の中から見つけていく方法です。
部屋の隅で静かに聴いているだけでもいい。
声を出さなくてもいい。
“参加しなきゃいけない”ではなく、「そのままでいていい」空間があること。
それが、もしかすると療育に疲れた子どもたちの心の余白になることもあります。
療育を嫌がることは、問題ではありません。
あまりにも療育を嫌がった時は、子どもが今、どんな支援なら受け取れるかを考えるサインでもあるのでは?と私は考えます。
そのサインに寄り添いながら、無理なく子どもが安心できる環境を探すことも、支援のひと。
音楽療法も、そんな可能性のひとつとして、知ってもらえたら嬉しいです。
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