(※2020年11月10日更新)
みなさん、こんにちは^^
音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
音楽療法士やリトミック講師の皆さんは日常的にピアノを弾く生活を送っている方が多いかと思いますが、力が入った状態で弾き続けてしまう等の誤った弾き方をしてしまうと、肩が痛くなったり腱鞘炎になったりと体を壊してしまうことにつながってしまいます。
そんなことになってしまったらピアノを弾くお仕事を継続すること自体、難しくなってしまいますよね…。
そうなる前に!!
今回は今日からできる、ピアノを脱力して弾けるようになる練習法を現役ピアニストにアドバイスをいただいたので、早速ご紹介していきます。
今、ピアノを弾くと肩が凝ってしまう、力が入ってしまう、脱力できないという方はぜひ参考にして下さいね!!
ピアノを脱力して弾こうと思ったきっかけ
なぜ、私がアラサーになってから本格的にピアノを脱力して弾くことを意識して練習しようと思ったかというと、元々私はエレクトーン出身で、音楽大学に進学するために必要と感じ、18歳からピアノを始めたことがきっかけとなりました。
エレクトーン経験者であればわかるかと思いますが、エレクトーンはキーボードのように鍵盤が軽いです。
その鍵盤で何年も、何十年も引き続けていると、ピアノの鍵盤の重たさは非常に重たいと感じます。
その他にも、ピアノとエレクトーンでは演奏法も変わってくるので、エレクトーンの奏法でピアノを弾いたり、重たいと感じる鍵盤を力づくで弾いたりなど、無理に弾こうとしてしまいました。
その結果、ピアノ練習の後には肩が痛くなることが当たり前になり、そして段々と練習すること自体がつらくなってきました。
更に音楽療法士として働きだしてからは、現場にアプライトピアノやグランドピアノがあることが多く、誤った姿勢のまま現場で働いてしまったため、腱鞘炎は当たり前になり、慢性肩こりでしまいには両腕があげられないほどになることもしばしばありました。
「このままではいけない」と感じるまでに体に支障をきたし始めた今、一度きちんとピアノ奏法をプロのピアニストに学ぼうと思い、今回の記事作成に協力してくれたプロのピアニストに師事をすることに決めたのです。
【ピアノ脱力練習】指導してくれたピアニストは大塚茜さん
そんな私に、今回指導をしてくれたのは大塚茜さん。
大塚さんは私と同じ大学でありながら、プロのピアニストとしても活躍しているまさにプロ中のプロ!!であります。
このような素晴らしい人が近くにいるのに、アドバイスを聞かないなんてもったいない!!と思い、思い切って脱力してピアノを弾ける方法を聞いてみたところ、快くレッスンをしてくれることを承諾してくれました。
ピアノを脱力して弾く方法とは
まず、大塚先生からピアノを脱力して弾く際のポイントをお伺いしました。
ポイントは、
- 演奏中に呼吸を忘れない
- 肩の力が抜けていることを確認する
- ゆっくり練習
の大きく3つです。
早速、1つずつ具体的な内容を紹介していきましょう。
【ピアノ脱力練習】①演奏中に呼吸を忘れない
脱力をしながらピアノ演奏をするには、呼吸を忘れないことが大切です。
今、まさに大ヒット上映中の『鬼滅の刃』でも語られる呼吸法ですが、この呼吸はピアノ演奏でも非常に重要なポイントとなります。
ピアノを弾いていなくても、呼吸を止めると筋肉が緊張してくると思いますが、これは演奏中にも同様のことが言え、呼吸しないまま演奏をしてしまうと自然と筋肉が緊張し、力みの原因となってしまいます。
しかし、集中してピアノを弾いていると無意識に呼吸を止めてしまうことってありますよね。
ですから、演奏中に自分は今呼吸をしているかどうかを意識するだけでも演奏が変わってくるので、今演奏中に呼吸を意識できていないという方は今日から意識するといいでしょう。
脱力ポイント…呼吸は鼻・口どちらでもOK
ピアノ演奏中の呼吸をする場所は、鼻・口どちらでも大丈夫とのこと。
演奏中に自分が息を取り入れやすい呼吸で、呼吸し続けることを意識できる方を選ぶといいでしょう。
ちなみに大塚先生は口呼吸の方が体が安定するように感じるようですが、演奏中には口呼吸・鼻呼吸のどちらも場面によって変えているようです。
自分に合った呼吸法を知りたいという方は、体質だけではなく、メロディや曲調によっても変わるので、曲によって鼻呼吸で演奏してみたり、場面によって口呼吸に変えてみるなどあれこれ試してみるのがいいそうです。
【ピアノ脱力練習】②肩の力が抜けていることを確認する
脱力してピアノ演奏をするには、演奏前に肩の力が抜けていることを確認してから演奏しましょう。
肩をぶらぶら~と揺らし、力を抜いてから鍵盤に手を置いた状態のまま演奏すると、とてもきれいなピアノフォームになりやすいです。
ですから、ピアノ演奏中に肩を痛めてしまうという方はピアノの鍵盤に手を置く前に都度、肩をぶらぶらして脱力して片置くように心掛けましょう。
面倒くさく感じるかもしれませんが、この一手間があなたのピアノ人生を大きく変えますよ。
脱力ポイント…手首も脱力できているか確認
ピアノ演奏中に力が入ってしまうという方は、手首にも力が入っていませんか??
もし、肩だけではなく手首にも力が入ってしまうという方は、手首の脱力もしっかりできているか確認をしましょう。
私は元々力が入りやすい体質だったので、この手首の力を抜くということに初めはなかなか慣れませんでしたが。
しかし、ピアノに手を置いた際に手首を反対側の人差し指などで触れて、手首がぶらんぶらんと揺れるくらい力が抜けているか都度確認しながら練習するように心がけると、次第に力が入ることが減ってきました。
なれるまでは非常に時間がかかりましたが、脱力するには非常に効果的な練習方法なのでぜひ試してみて下さいね。
【ピアノ脱力練習】③ゆっくり練習
ここまではピアノに向かう姿勢などについて書いてきましたが、いよいよ実技練習の部分に入ります。
脱力してピアノを弾けるようになりたいなら、とにかくゆっくり練習しましょう。
今にも止まりそうなくらいにゆっくり練習すると、最初はインテンポで弾けないことにイライラもしましたが、だんだん慣れてくると「今、力入ったな」「あ、肩に力入っている」とほんの少しの力加減がわかったくるようになります。
例えるなら、瞑想状態に近いとでも言えるのでしょうか。
これまでインテンポだったり、速いテンポで練習していると気づかなかった自分の弾き方の癖や力が入る箇所などにすぐに気づけるようになります。
ゆっくり練習は誰もが嫌がる練習法ではありますが、急がば回れ。
メトロノームをゆっくりなテンポでかけながら、コツコツゆっくりと自分のフォームを見直すことが脱力への道に繋がります。
脱力ポイント…簡単な曲からゆっくり練習しよう
このゆっくり練習をするときに使用する曲は、難しい曲よりも簡単な曲から始めるといいとのことでした。
私が最初に大塚先生から受け取った楽譜は、
- お人形の踊り
- かっこうワルツ
- すみれ
などなど、初見で弾けそうな簡単な曲の楽譜でしたが、これらの曲の特徴である
- 五本の指の中に収まるフォームで弾ける
- スタッカートがある
の曲をゆっくりテンポで弾くと、演奏中に脱力できているかどうかがよくわかるのです。
このほかにも、ハノンやチェルニーなどの練習用の曲もこのゆっくり練習におすすめということでしたので、あなたのレベルに合った曲で、ぜひゆっくり練習を実践してみて下さいね。
ピアノを脱力して弾く練習法とは??現役ピアニストのアドバイスまとめ
いかがでしたか??
多くの方が悩むピアノ演奏を脱力して弾く方法ですが、こつこつとした努力の積み重ねの先に実現できるようです。
どれも地味に思ってしまう練習かもしてませんが、何事も急がば回れ。
焦らずゆっくり練習を継続していけば、必ず脱力してピアノ演奏できるようになるとのことでしたので、あきらめずに頑張っていきましょう!!
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