「少し、発育がゆっくりかもしれませんね」
保育園や健診などで、こんなふうに言われたことはありませんか?
言葉がゆっくりだったり、落ち着いて座っていられなかったり、他の子とちょっと違う様子があったり。
「うちの子、発達が少しゆっくりかもしれない」
そんなふうに感じながらも、どうサポートしていけばいいか迷っている親御さんはとても多くいらっしゃいます。
でも、子どもはそれぞれ自分だけの育ちのリズムを持っています。
まわりと同じように進まなくても、その子なりの“育ちのペース”で、確かに前に進んでいるんです。
「うちの子、ちゃんと育ってるのかな…」
「これから学校生活、大丈夫かな」
「何かできることはないのかな」
そんな不安や迷いを抱えながら、「音楽」と検索してこのブログにたどり着いてくださったのだとしたら。
それだけで、すでにお子さんにとても丁寧に向き合っていらっしゃる証拠です。
音楽は、そうしたお子さんや親御さんにとって、無理のない関わりの入り口”**になることがあります。
音楽には「こうしなきゃいけない」がない世界です。
音楽に正解はありません。
歌ってもいいし、聴いてるだけでもいい。
音が鳴っている空間に、ただ一緒にいるだけでもいい。
発達がゆっくりなお子さんにとっては、
言葉でのやりとりよりも、音やリズムのほうがずっと安心できる場合もあるんです。
たとえば…
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いつもは動き回っている子が、音楽が流れるとじっと聴いている
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言葉が出ない子が、メロディに合わせて身体を揺らしている
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反応が少ないと思われていた子が、音楽療法士が楽器を提示するとこちらに目を向ける
そんな「その子らしいサイン」が見えてくる瞬間が、たくさんあります。
今は、療育や支援の方法もさまざまです。
一方で、「○○ができるようになること」に重きを置かれがちなのも現実です。
でも、子どもが安心できて、自分らしくいられる場があってこそ、
その子なりの成長や反応がゆっくりと育っていくのではないでしょうか。
音楽療法は、「成果を出すため」の時間ではなく、「今のままのその子」を大切にする時間です。
焦らなくても、完璧を目指さなくても大丈夫。
その子に合ったペースで、関わりを育てていける方法のひとつとして、音楽を知っていただけたら嬉しいです。
音楽が好き。
それは大事な入り口です
お子さんがふと鼻歌を歌っていたり、テレビの音楽に合わせて踊ったりしている姿を見たことはありませんか?
それは、世界とつながろうとするその子なりの方法かもしれません。
「音楽が好き」
「音に反応する」
そんな何気ない瞬間を、見逃さずに大切にしてほしいのです。
音楽は、言葉や行動よりも先に“心”に届くことがあります。
だからこそ、発達がゆっくりなお子さんの可能性に、そっと光を当ててくれるツールになれると私は信じています。
子どもたちはそれぞれに、自分の育ちのペースを持っています。
そのペースを、無理に変えようとしなくてもいい。
「今のままで大丈夫だよ」と伝える手段として、音楽がそばにある。
そんな関わり方が、あってもいいと思いませんか?
音楽療法士として、私はこれからも、
子どもたちがその子らしく育っていくことを、そっと音で支えていきたいと思っています。
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