音楽療法士が児童の音楽療法で大切にしたこと【体験記付】

(※2020年8月19日更新)

みなさん、こんにちは^^

音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。

私はこれまで、主に高齢者・児童を専門に音楽療法を実践してきました。

今回は、児童を対象にした音楽療法の中で、私が大切にしていたことなどをまとめてみました。

 

過去に児童施設専属・フリー音楽療法士として活動

私は過去に、児童発達支援事業・放課後等デイサービスの専属音楽療法士として約3年、フリーの音楽療法士として約2年間活動してまいりました。

合計約5年間の中で出会ったお子様の数は、一度きりのお子様も含めると200名近く

音楽療法を通じて、数多くのお子様と出会うことができましたが、私が音楽療法活動を行う中でやってよかった工夫などを次にまとめました。

 

【児童音楽療法】大切にしていたこと①自己肯定感を高める

私は放課後等デイサービスなどで児童音楽療法を行なっていたのですが、そこに通う子の多くは、

  • 落ち着きがない
  • 友達とうまく遊べない
  • 動きが遅め
  • おしゃべりがやめられない

などという子で、幼稚園や保育園などの集団生活の中でよく注意されているような子でした。

あまりにも毎日のように怒られる子は、だんだん怒られることに対して慣れてきてしまい、先生が注意したり叱ったりしても、右から左へ流してしまいがちです。

また、怒られ慣れしてしまうと「自分は椅子に座ってられない」「自分はおしゃべりがやめられない」とお子さん自身ができないところのフォーカスをしてしまい、自己肯定感をもつことが難しくなる場合もあります。

ですから、そんな日常生活の中で注意されやすい問題行動を、音楽療法活動で少しずつ減らしていき、自己肯定感が身に付けられるよう指導していました。

【児童音楽療法】自己肯定感に導く音楽療法とは

私は音楽療法の中で、子供自身が自己肯定感を感じられるように、自分で何かができたという達成感を感じられる場面を作るように工夫していました。

例えば、ギターを弾くのは一見難しそうですが、パワーコードは二つの弦を抑えれば誰でも鳴らすことができます。

体の小さいお子さんでも、子供用のエレキギターを使えばパワーコードが鳴らせるお子さんも多いです。

ギター演奏ができそうな子にはギターでコードが上手に鳴らせる体験や、タンバリンが鳴らせそうなお子さんはピアノと同じタイミングで鳴らせる体験などを通じて、「ギターが弾けた」「タンバリン演奏ができた」とできた体験を少しずつ増やしていくことで、「いつも怒られている自分にも、できることがある」と感じてもらえるよう工夫をしています。

音楽療法は、音楽や楽器活動を通じて「できた」ことを体感してもらえる場面をたくさん生み出すことができます。

ですから、少しでも人間だれしもできることがあるということを感じてもらえるような工夫をしてみてください。

 

【児童音楽療法】大切にしていたこと②見通しをもてるようにする

放課後等デイサービスや児童発達支援事業に通うお子さんの中に、見通しがもてず、不安を抱えてしまうお子さんもたくさんいます。

見通しが持てないというのは、どのような状況かというと、例えば12時で本来授業が終わるはずなのに12時をすぎても授業が終わらない先生の授業を受けているとき、あなたの頭の中では「一体、この授業は何時に終わるんだろう??」「お腹すいたのにまだ終わらないのー??」と不安や混乱することはありませんか??

これがまさに、見通しが持てず不安になっているという状況です。

発達障害やグレーゾーンのお子さんの中には、この見通しが持てないことにより、音楽療法活動に参加できないという子もたくさんいるのです。

ですから、そのようなお子さんがいる場合は、見通しが持てるような工夫を必ずしていました。

【児童音楽療法】見通しが持てる音楽療法とは

では、見通しを持ちながら安心して参加できる音楽療法活動にするために、どのような工夫をしていたかと言いますと、音楽療法活動のスケジュール表を作って提示をするというものです。

私たちも学生時代、時間割をみながら「次は国語」「5時間目は体育だから、体操着に着替えないと」と時間割を見て行動していたかと思いますが、音楽療法でもこの時間割のような次に何の活動をするのかを提示して、いつ終わるのか見通しが持てるようにしていました。

また、だんだんと活動の大まかな流れが理解してきた頃に、スケジュール提示をなくし、視覚的な支援がなくても「終わりの歌が始まったら、音楽の時間はおしまい」と見通しできるものがなくても、安心して参加できるようにステップアップする場合もありました。

 

【児童音楽療法】大切にしていたこと③音楽療法中の言葉は少なめに

経験の少ない音楽療法士は、ついつい言葉での指示が多くなりがちですが、基本的に言葉での指示は少なめにしましょう。

そもそも、音楽療法というのは音楽のもつ力を使って行うものです。

言葉よりも音楽の力に頼った方が、対象者も指示理解ができます。

例えば、子供たちが走り回っていつまでも音楽療法活動ができないのであれば、ゆったりとした曲を演奏してみる、子供たちがセラピストに視線を向けてくれないのであれば、ツリーチャイムのような人目を引く楽器を見せるなど、言葉よりも音楽や楽器の力に委ねることを意識してみるといいでしょう。

【児童音楽療法】指示内容は具体的に簡潔に

もし、言葉で指示をする際は、具体的に、かつ、簡潔に指示しましょう。

例えば、「楽器を優しく片付けましょう」と指示をしたとします。

一見、具体的で簡潔な指示内容に感じられるかもしれませんが、「優しく」という表現は100人いたら同じ捉え方をするでしょうか??

もしかすると、楽器が壊れなければ「優しく」片付けることと思う子もいるかもしれませんし、楽器を具体的にどのように扱うことが「優しく」扱うことなのか、価値観は人それぞれです。

指示をする際は、このように価値観がバラバラにならないように「楽器を音が出ないように片付けてね」など、100人いたら一通りの解釈につながるような表現で伝えることが大事です。

また、発達障害のお子さんの中には、言語理解が難しいお子さんもいらっしゃるので、必ず絵カードなど視覚的に理解できるようなものを用意しましょう。

 

【児童音楽療法】大切にしていたこと④ルールを設ける

私が児童を対象に集団音楽療法を行なっていた時に、ルールを設けることもありました。

特に、小学生以降の学齢を対象にした音楽療法を行う場合は、ルールを設けることが多かったです。

ルール内容は2〜3個に絞り、内容も比較的わかりやすく、簡潔にしたものを提示していました

具体的なルール内容は、

  • 友達をたたかない
  • 順番を待つ

などシンプルなものが多かったです。

音楽療法活動にルールを設けることは、社会性にもつながるので、対象児によって非常におススメです。

 

【児童音楽療法】大切にしていたこと④ピアノの音は小さめに

発達障害のお子さんの中には、聴覚過敏のお子さんもたくさんいます。

音楽療法中のピアノ伴奏などの音を大きくしてしまうと、聴覚過敏のお子さんにとって非常に酷な環境になってしまうので、児童を対象とした音楽療法を行う際は、通常のピアノレッスンなどよりも音量を小さくすることを意識しましょう。

また、小さめの音で音楽療法活動を行った方が、小さい音を聞き取ろうとより音に集中してくれるようにもなります。

 

児童の音楽療法で大切にしていたこと〜まとめ〜

いかがでしたか??

児童の音楽療法は、今後の人生をより豊かにできるように導くことができるかどうかが大切だと、私は考えます。

今、児童領域で頑張っている音楽療法士の参考になれれば、嬉しいです。

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