音楽療法はひたすら歌う?聴く?演奏?何をするのでしょうか?

「音楽療法はひたすら歌う?聴く?演奏?何をするのでしょうか?」

と質問をいただきました。

(こちらの質問は、掲載許可をいただいております)

音楽療法士としてのお答えとしては、音楽療法はお一人お一人によって活動内容が異なる、目標・目的達成に向けた、完全カスタムオーダーな音楽活動をするということです。

改めて音楽療法というのは何かというと、

音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身 の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに 向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること

(引用:日本音楽療法学会関東支部パンフレットより

と定義されています。

少しわかりにくいかもしれませんが、もう少し噛み砕いて説明すると、音楽療法は音楽の持つ様々なチカラを、目の前の対象者が抱える問題などに対してどう行動変容させていくかなど、目標・目的を持って行います。

例えば、【順番を待つ】という目標で音楽療法を行うとします。

同じ自閉症という診断を受けたお子様が2人いたとしても、A君はタンバリンを見ると鳴らしたくてたまらないというのに対し、Bちゃんはマイクを向けられると興味関心が惹きつけられるとします。

この場合、A君はタンバリンの提示を工夫するなどをして順番を待つ活動につなげる、Bちゃんはマイクを使った順番を待つ活動につなげる可能性が高いでしょう。

このように、同じ【順番を待つ】という目標でも、実際に行う音楽活動内容は異なります。

ですから、同じ音楽療法活動と言っても、ある子はたくさん体を動かす活動をするかもしれませんし、別な子はたくさん楽器演奏をする活動になるかもしれません。

ですが、どれも一人ひとりに適した活動であるかどうか、音楽療法士が技術・知識を振り絞り、プログラムなどを考えて行うのが音楽療法です。

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