みなさん、こんにちは。音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
今、音楽療法という言葉が少しづつ日本で広まっている中、高校生の進路やピアノ講師などの音楽関係で働いている方の中に音楽療法士の資格を目指している方はいませんか??
そして、音楽療法士の資格を目指している方の中に、「音楽療法士になる為には、ピアノが弾けなきゃダメなのかな??」「ピアノ技術はどのくらいのレベルが必要なんだろう??」と疑問に思われている方はいませんか??
今回はそんな音楽療法士を目指す方に、実際に18歳からピアノを始めたフリーの音楽療法士が思う、音楽療法士に求められるピアノレベルについてまとめてみました。
「ピアノ技術に自信はないけど、音楽療法士なりたい…」という方は、ぜひ参考にして下さいね!!
音楽療法士はピアノが弾けないといけない??について動画でみたい人は
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音楽療法士はピアノが弾けないといけない??について音声で聞きたい方は
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音楽療法士はピアノが弾けなくてもなれるのか
先ほども挙げましたが、音楽療法士の資格取得を目指す方の中に「私ぐらいのピアノレベルでも音楽療法士の資格は取れるのか」「ピアノに自信が無いけど、大丈夫なのか」不安に思う方もいらっしゃるかと思います。
音楽療法士のピアノ技術について、認定音楽療法士として活躍してきた私から言わせていただきますと、ピアノ技術が皆無な方が音楽療法士として活躍することは難しいということ。
ちょっと厳しい言い方になるかもしれませんが、今の日本の音楽療法の現場では、ピアノをメインに使用する場合がほとんどと言ってもいいくらいピアノを酷使します。
認定音楽療法士の資格試験では、筆記試験や面接以外にも弾き歌い試験もありますので、楽譜が読めない、ピアノ経験が全くないという方は、今すぐにでもピアノ練習をすることをおススメします。
音楽療法士に求められるピアノレベルとは
では、音楽療法士に求められるピアノ技術というのは、一体どの程度なのでしょうか。
答えとしては、音楽大学などのピアノ専攻レベルのようなハイレベルな演奏技術を持っていなくても大丈夫です。
しかし、音楽療法士に求められるピアノレベルというのは、ハイレベルな演奏技術とは異なったピアノ技術を求められることが多いです。
ピアノの演奏技術以外に、どのような技術が音楽療法士として求められるのか。
次にまとめてみました。
音楽療法士のピアノ技術①コード譜伴奏
現在、日本で多く行われている音楽療法の分野は高齢者領域と言えますが、高齢者領域では歌謡曲の伴奏にピアノを使用する場合が多いです。
歌謡曲の楽譜の多くは、メロディー・伴奏がしっかりと書かれているものは少なく、多くはメロディーとコードネームしか書かれていない、いわゆるコード譜と呼ばれる楽譜がほとんどです。
ですから、高齢者領域で歌謡曲の歌伴奏をピアノで行う場合は、左手が記載されていないコードしか書かれていない楽譜を見て、頭の中で伴奏を考えながら弾く演奏技術が求められるのです。
「伴奏が5線譜に書かれていないと、伴奏演奏できない」という方にとっては、中々ハードルが高い技術と言えるでしょう。
音楽療法士のピアノ技術②即興演奏
音楽療法士のピアノ技術は、コード譜伴奏だけではなく即興演奏も求められます。
例えば、児童領域の音楽療法を実施する際、言葉でコミュニケーションが難しい子とピアノとコミュニケーションをする音楽療法セッションがあります。
その際に、子供が鳴らした音に対して音楽療法士が伴奏を付けられたり、クライアントが満足できるような即興演奏力が求められるのです。
ジャズなどの即興演奏とは違い、クライアントに合わせた即興力が求められるので、この技術習得には数年ほど時間を見た方がいいでしょう。
音楽療法士のピアノ技術③弾き歌い
日本の音楽療法の領域は、児童・精神・高齢者の3つの分野ですが、どの領域で音楽療法を行うにしても必ず必要と言えるピアノ技術は、この弾き歌いではないでしょうか。
ピアノ経験者ならば誰もが経験したことがあると思いますが、ピアノを弾くということとピアノを弾きながら歌うということは全く別物、と言えます。
また、音楽療法士は弾き歌いだけではなく、ピアノ伴奏をしながら歌詞を先読みしたり、弾き歌いしながら次の活動の指示をしたりと、弾きながらあらゆる指示を口頭でできるようにならなければいけません。
この技術習得には、ピアノを黙々と練習するという練習法では中々身に付かないため、別な練習法が必要となります。
結論:音楽療法士は演奏以外のピアノ技術が必要となる
これらのことから、音楽療法士に求められるピアノ技術というのは、単に演奏技術だけではなく、演奏技術以外も求められるということ。
ですから、本気で音楽療法を目指す場合は、ハノンやツェルニーのような基礎練習以外に、別な練習が必要ということを頭に入れておくといいでしょう。
音楽療法士のピアノレベルを身に着ける方法
では、どのようにして演奏以外のピアノ技術を身に着けていけばいいのか。
ここからは、18歳からピアノを始めたフリーの音楽療法士である私が、実際に音楽療法士として申し分ないピアノ技術を身に着けるために行っていた練習法をご紹介します。
きっと世の中の本屋さんや楽譜販売店で、【音楽療法士になる為のピアノ技術練習本】というものは存在しないと思うので、音楽療法士になる方はぜひこのサイトを参考にしていただければ嬉しいです。
音楽療法士になるためのピアノ練習法①コード理論を徹底して学ぶ
音楽療法士を目指している方にまずやってほしいのが、コード理論の修得です。
即興演奏を行う場合にしろ、コード譜伴奏をするにしても、このコード理論の知識なしではできないです。
幸い、私は幼少期よりエレクトーンを学んでおり、小さなころからコード理論を学んでいたのですぐにコード譜伴奏も即興演奏もできましたが、クラシックばかり弾いているようなピアノ専攻の子は、音楽療法士になってからコード理論を夜な夜な学んでいたりしていました。
音楽療法士になってから学んでもいいとは思うのですが、音楽療法士になるとそれ以外にも学ばなければいけないことが増えるので、できれば資格修得前にコード理論を習得しておいた方がいいでしょう。
音楽療法士になるためのピアノ練習法②コード楽譜本を両手で弾く
コード理論を習得したあとは、とにかく実践をしていきましょう。
私が行っていた実践は、コード楽譜を両手で弾くというもの。
使用していた楽譜は、こちらの【歌謡曲のすべて】という楽譜で、この楽譜を見ながらコードの学習、そして歌に合う伴奏の研究をしました。
コード理論は、机上で学んでも正直身につきません。
とにかく実際の歌謡曲やジャズスタンダードのようなコード楽譜を見て、どんなコードなのか、弾きながら確認した方が早く習得できます。
音楽療法士になるためのピアノ練習法③弾きながらしゃべる
コード譜伴奏にも慣れてきたら、最後に演奏しながらしゃべる練習をしましょう。
弾き歌いは繰り返し練習すればできますが、弾きながら普通に会話をすることはかなりの鍛錬が必要となります。
私は音楽療法士になりたての頃、家に帰っては一人で実際のセッションを想定しながら「○○さん、いい声ですね!!」「もっと大きな声で!!」と言いながら弾き歌いをする練習をしたり、歌詞の先読みをしながら練習したりをコツコツやっていました。
当時一緒に住んでいた両親には、非常に白い目で見られましたが、あそこで両親の視線に負けることなく練習を続けて良かったと今、思います。
音楽療法士になるなる為に必要なピアノ以外の技術
これまでの説明から、音楽療法士を目指すためにはある一定のピアノレベルが必要ということはご理解いただけたかと思います。
しかし、音楽療法士を本気で目指すためには、ピアノ技術を上げればいいというものではありません。
それは、あなたの専攻楽器の技術です。
音楽療法の活動の中で、鑑賞という美的体験を目的とした活動が行われる場合がありますが、音楽療法士はセラピストである前に演奏家です。
音楽療法的な技術以外にも、演奏で人の心を感動させる技術は音楽療法士にとってなくてはならないものなので、あなたの専攻楽器や得意楽器の技術向上は常に忘れないようにしましょう。
専攻楽器や得意楽器の演奏レベルは、プロになれるくらいの技術を目指し、日々向上していくことをおススメいたします。
…と、記事を書いている私自身が技術が足りていないので、自分に向けて書いています…とほほ。
音楽療法士のピアノだけではなく就職も不安という方へ
今回は音楽療法士に求められるピアノレベルについて書かせていただきましたが、音楽療法士を目指す上で不安はピアノだけではなく、頑張って資格取得しても就職できるかどうかということもあるかと思います。
過去に音楽療法士の就職についても記事を書かせていただきましたので、就職について気になるという方は是非ご覧ください。
音楽療法士はピアノが弾けなければダメ??まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は、ピアノが苦手な方にとっては厳しく感じられる内容だったかもしれませんが、こつこつ日々の練習を積み重ねていけば必ず上達していきます。
今は音楽療法士として必要なピアノ技術習得まで程遠いと思われるかもしれませんが、一日5分でもピアノに向かう時間を作って、素敵な音楽療法士になれるよう頑張ってみて下さいね。
あなたの努力は必ず実りますよ。
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