みなさん、こんにちは。
音楽療法士&リトミック講師の柳川まどかと申します。
前回、発達障害のある子供の習い事についての記事を書かせていただいたのですが、こちらの記事が地味に反響がありましたので、今回も発達障害のある子供の習い事についてをテーマに記事を書いていきます。
反響をいただいてから、発達障害のある子供の習い事についてあれこれ調べてみたのですが、中でも障害のある子供に習い事をさせているけれども、子供が習い事を嫌がっているというものを多く見かけました。
確かに習い事は子供にとって良い刺激となる場合が多いので、親としてはできれば習い事をさせたい、続けさせたいと思われるかもしれませんが、子供がいやいや習い事を続けているのを見ると、「果たしてこのまま続けてて良いものか…」と不安になってしまいますよね。
そこで今回は、これまで放課後等デイサービスの支援員として勤務経験のある音楽療法士である柳川が思う、発達障害のある子供が音楽系の習い事を嫌がることについて思うことをまとめてみました。
発達障害のある子供が習い事を嫌がる理由
まず、発達障害のある子供がなぜ音楽系の習い事を嫌がるのかについて考えてみましょう。
私は約3年間ほど発達障害のある子供やグレーゾーンと呼ばれる子供たちを対象に音楽療法の実践を行ってきました。
音楽療法は習い事ではなく、音楽を用いて社会性や他者とのコミュニケーションなどを楽しみにながら学ぶというものです。
多くのお子さんが音楽療法を楽しみにしていたり、積極的に参加したりしてくれますが、中には少なからず音楽療法に参加するのを嫌がる子供もいました。
私が児童を対象に音楽療法を行う場合、集団で行うことがほとんどでしたので、そのように嫌がるお子さんがいる場合は個人で行うなどの対応を取ったりしていましたが、そんな子供たちをみて、参加するのを嫌がる子たちはなぜ嫌がるのか。
先日、同じ音楽療法士でもあり、発達障害のある子供を育てている先輩音楽療法士の方とお話をする中で、音楽系の習い事に通いたくない理由として私個人が思ったことをまとめてみました。
※あくまでも私一個人の考えや主観と思って参考にしてください。
発達障害のある子供が習い事を嫌がる理由①聴覚過敏
発達障害のある子供の中には、聴覚過敏の子供もいます。
聴覚過敏というのは、
聴覚過敏とは感覚過敏のひとつで、周囲の音が激しい苦痛や不快感を伴って聞こえる状態
のことをいいます。
例えば、あなたにとってはちょうど良いと思えるテレビの音量も、聴覚過敏のお子さんにとっては非常に大きな音に感じてしまい、不快に感じてしまうなどが感覚過敏の例などが挙げられます。
ピアノやリトミックなどの音楽系の習い事は音を必須とする習い事なので、聴覚過敏の子供にとっては苦痛な時間となってしまう場合があるのです。
発達障害のある子供が習い事を嫌がる理由②子供がやりたくてやっているか
これは今回のテーマを書く理由となった、発達障害児の母でもあり、音楽療法士でもある方が話していたことなのですが、子供自身がやりたくて始めた習い事かどうかは非常に重要だということ。
ピアノやリトミックなどの習い事を始めてみたものの、子供自身がそんなに音楽が好きじゃなかったり興味がない状態で開始してしまうと、「つまらない」「通いたくない」という気持ちになってしまうのは自然なことかと思います。
確かに音楽系の習い事は、楽譜を読んだり音楽に合わせて体を動かすなど、刺激がいっぱいの習い事です。
そんな理由から、障害のある子供に音楽系の習い事をさせようと思うことはとても素敵なことではありますが、始められる場合は子供の気持ちも尊重しながら始めることをおすすめします。
発達障害のある子供が習い事を嫌がる理由③講師の障害への理解
また、担当講師がどれだけ発達障害の理解があるのかによっても、子供の習う意欲は異なってくるのではないかと思います。
音楽療法士は音楽療法士となるトレーニングの中に、発達障害だけではなく、音楽療法の対象となる方の障害や疾患、疾病などについて学びますが、ピアノ講師やリトミック講師も同じように障害の知識や理解があるかは、先生によってかなり異なってくる部分があります。
私は音楽療法士でありながらリトミック講師でもあるので、音楽療法士として障害に関する知識・理解はありますが、音楽系の習い事の先生によってはもしかするとリトミックやピアノの指導を中心に学んできて、障害に関する学びをされてこなかったという方もいらっしゃいます。
障害への理解がない、もしくは乏しいままレッスンなどの習い事をスタートさせてしまうと、先生と子供どちらにとっても苦痛や大変と感じてしまうような時間となってしまう可能性が出てしまいます。
発達障害のある子供が習い事を嫌がる理由④他者とのコミュニケーションが苦手
音楽系の習い事の中には、ピアノの個人レッスンのような一対一で行うものもありますが、集団で習うものもあります。
リトミックは数名の小集団で行う場合が多いですし、ピアノやエレクトーンなども幼児の間はグループで習う環境のとことも多くあります。
グループでの習い事となると、お友達との関わりは必須となります。
発達障害のある子供の中には、他者とのコミュニケーションが苦手というお子さんもいるので、そのような子供にとってはグループでの音楽系の習い事に対して「通いたくない」という思いにつながってしまうこともあるかもしれません。
発達障害のある子供が楽しく音楽系の習い事を継続してもらうために
ここまで、私の先輩音楽療法士でもあり、発達障害のある子供を育てている方とのお話から感じたことなどをまとめてみましたが、音楽療法士として思うことは、今、音楽系の習い事を通いたくないと感じているお子さんにこそ、音楽療法を体験して欲しいということ。
音楽療法は習い事ではなく、音楽を用いたセラピーです。
音楽を用いたセラピーとしてどのようなことをしていくのかというと、
- 音楽を用いながら
- 楽しい雰囲気で
- 社会性や他者とのコミュニケーションを学ぶ
ということを行います。
発達障害のある子供が習い事を楽しめるように…聴覚過敏への配慮
音楽療法を受ける子供の中には、先ほど紹介した聴覚過敏の方も参加される場合があります。
聴覚過敏の子供を対象とした音楽療法では、お子さんにとって負担がないよう、例えばイヤーマフを使ったり、子供にとって心地いいと思えるような楽器を用いて音楽活動を行うなど、聴覚過敏への配慮を忘れずにします。
音楽療法ではギターやピアノをメインで使う場合が多いですが、聴覚過敏の子供にとって強くて不快となる音と感じた場合は、オートハープやフィンガーシンバルなど一人ひとりにとって心地いいと思える楽器を使用します。
ですから、聴覚過敏のお子さんにとっても安心して参加することができます。
発達障害のある子供が習い事を楽しめるように…障害の理解
先ほども挙げましたが、音楽療法士になるためには音楽療法を受けられる方々の障害や疾病、疾患などについて学ぶ必要があります。
そのため、音楽療法士は発達障害への理解がある方々です。
その中でも、発達障害のある子供への実戦経験が豊富の方が行う音楽療法などはより理解がある方が行われるので、親御さんも安心して参加することが可能です。
発達障害のある子供が習い事を楽しめるように…他者とのコミュニケーションを学べる
音楽療法ではお子さんに合わせて集団で行う場合と、個人で行う場合があります。
他者とのコミュニケーションが難しい子供の場合は個人でセッションを行い、音楽療法活動の中で音楽療法士との関わり方を学ぶように音楽活動を行なっていきます。
このときも、何かのトレーニングのように一生懸命黙々と関わりを学ぶというよりも、音楽や楽器を用いて楽しみながら学ぶような環境で行うので、お子さん自信トレーニングというよりも遊びのような楽しむような感覚で学べるのが音楽療法の魅力の一つと言えます。
元放課後等デイサービス支援員による児童専門の音楽療法を受けたい方は
実は私柳川は、過去に放課後等デイサービスの支援員として約2年ほど勤務していた経験があります。
その経験を生かし、退職後は発達障害のあるお子さんを中心に音楽療法を行うフリーの音楽療法士として活動をしております。
また、ヤマハのピアノ・エレクトーン・指導グレードも取得しているので、発達障害のあるお子さんを対象としたピアノやエレクトーンレッスンを希望したい方も受け付け中です。
発達障害のある子供を専門として実践を重ねてきた音楽療法士のセッションを実際に受けてみたいなどと思った方は、4月5月に川崎市内で音楽療法体験会を行います。
体験会はプレ価格で行いますので、興味のある方はお気軽に遊びにきてください。
また、出張音楽療法の対象地域ではないところにお住まいの方は、オンラインによる音楽療法を行なっております。
対象地域街の方は、オンライン音楽療法にお申し込みください。
※オンライン音楽療法のご案内はこちら↓
発達障害のある子供が習い事を嫌がることに悩んでいる方へ【音楽系の習い事編】まとめ
いかがでしたでしょうか??
障害のあるお子さんに何か刺激になるものを、習わせたいと思いながら始めてみたものの、子供から習い事を嫌がられてしまうとどうしていいかわからないという方は少ないと思います。
そんなときに、音楽療法という選択肢もあるということを知っていただければ幸いです。
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