「うちの子、全然お話しないんです」
「お友だちとうまく関われなくて…」
そんなお悩みを、ネット上でよく見かけます。
でも、私は音楽療法士として日々子どもたちと関わる中で、強く思うのです。
ことばが少ない子も、ちゃんと伝えたい気持ちを持っていると。
伝え方は、話すことだけじゃない。
音・リズム・間(ま)・表情・体の動き。
それらすべてが、「伝える力」「受け取る力」の土台になります。
【コミュニケーションを育てる】音楽が引き出す、子供の“関わりたい”気持ち
たとえば、こんなシーンがあります。
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リズムに合わせて太鼓をたたいたら、子どもがこちらをチラッと見た
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ピアノの音が止まった瞬間、子どもが笑って拍手した
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歌のフレーズに、同じ声で“まねっこ”して返してくれた
言葉はなくても、これは立派なコミュニケーションです。
音楽は、子どもの「心の動き」や「人とのつながりたい気持ち」を、やさしく引き出してくれる道具なのです。
【コミュニケーション能力】 音楽療法は、「話せるようにする場所」ではない
「じゃあ、音楽療法に通えばしゃべれるようになりますか?」
そう思われるかもしれません。
でも、音楽療法の目的は「話せるようにする」ことだけではありません。
私たちはまず、“ことば以前”のコミュニケーション力、つまり「気持ちを向ける」「リズムを共有する」「アイコンタクトを取る」などの基礎的なやりとりを目的にする場合もあります。
それが育っていくと、やがて「ことば」も、その子なりのペースで広がっていくのです。
【子供の能力を育てる】 コミュニケーションの第一歩は、「一緒に楽しむこと」から
音楽療法では、「上手に話すこと」や「正しく答えること」よりも、“今の気持ち”を一緒に感じ合うことを大事にします。
だからこそ、言葉が少ない子、発達がゆっくりな子でも、音楽療法の場では安心して「自分らしい表現」を見つけていけるのです。
子供のコミュニケーション能力を育てる方法は、ひとつではありません。
音やリズムといった非言語のツールが、ことばにならない想いを届ける手助けをしてくれることもあります。
もし今、
「うまく話せない」
「関わり方がわからない」
そんな子どもの姿に悩んでいたら、音楽療法という音の中で見える“つながる力を、そっとのぞいてみませんか?
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