みなさん、こんにちは!!
音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
もう少しで暑い夏の季節が到来してきますよね。
この時期の高齢者を対象とした音楽療法活動や介護レクレーションでは【♪われは海の子】を選曲することが多いかと思いますが、
「この歌を歌ったことがないのでよくわからない…」
という新米音楽療法士や介護レクレーションの方の参考になるよう、高齢者領域で数多くこの曲を使用してきた音楽療法士である私柳川が、【♪われは海の子】にまつわる話や音楽活動の一例を紹介します。
これからこの歌を選曲するという音楽療法士や介護レクレーション士の方は、参考にしてみて下さい!!
【7月の高齢者おすすめ曲】われは海の子が作られたのはいつ??
今回ご紹介する【われは海の子】ですが、この歌は1910年(明治43年)に「尋常小学読本唱歌」の6年生用に掲載された曲です。
作詞作曲者は不詳となっていますが、最近では宮原晃一郎の娘により、彼が詞を手掛けたということがわかりました。
作曲者はいまだ不明なようなので、今後どなたが作曲したのかわかりましたらこちらでも随時アップしていこうかと思います。
【7月の高齢者おすすめ曲】われは海の子の歌碑はどこにある??
この歌は老若男女問わず長きにわたって日本人に愛されている歌ですが、実はこの歌の歌碑は最近作られたようです。
なぜなら、先ほど挙げたように作詞者がわかったのは1989年ごろのことなので、明治に作られた曲でありながら歌碑が作られたのは最近ということだそうです。
ちなみに、この歌の歌碑は作詞者の宮原晃一郎が生まれた鹿児島市の祇園之洲公園に
建っているそうです。
もし、お近くにお住いの方や鹿児島に行く際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか??
【7月の高齢者おすすめ曲】鹿児島の話題からコミュニケーションを深めよう
この歌を音楽療法や介護レクレーションで使用する際は、最近わかった作者の宮原晃一郎の話題から、鹿児島の話題を提供してもいいでしょう。
例えば、集団セッションだったら「みなさんの中に、鹿児島に行かれたことがある方はいませんか??」と問いかけたりしてみるといいでしょう。
また、他にも「鹿児島名物と言えば??」という質問も過去に盛り上がった経験がありました。
このように、音楽療法活動では、音楽だけではなく話しながらコミュニケーションを深めることも行います。
曲にまつわるお話をしながら、参加者や対象者の方とのコミュニケーションを深めるような話題を提供するといいでしょう。
また、会話でのコミュニケーションが難しい方のために、鹿児島にまつわる写真を用意して提示するのもおすすめです。
【7月の高齢者おすすめ曲】われは海の子の歌詞は3番までではない??
そんな【♪われは海の子】ですが、あなたはこの曲の歌詞が何番まで存在するかご存知でしょうか??
おそらく歌ったことのある多くの方は、3番までと答えることでしょう。
しかし、調べてみると3番までの歌詞で指導をし始めたのは戦後からだそう。
「あれ??この曲が作られたのは明治じゃなかった??」
と思った方、私も同じことを思ったのですが、実は【♪われは海の子】の歌詞は元々7番まで存在していたところ歌詞が削除され、3番までになったと言われています。
【7月の高齢者おすすめ曲】われは海の子の歌詞はなぜ消えた??
本来7番まであった歌詞が、なぜ戦後になって3番までになって消えてしまったのでしょうか。
実は、戦後GHQの指導によりこの歌は教科書上から姿を消したといわれています。
理由としては4番以降の歌詞や7番の歌詞が軍国主義的な表現ということだったからではといわれているようです。
その後、再び教科書にこの歌は戻ってきますが、その時には3番までの歌詞しか歌われなくなったと言われています。
ちなみに、先ほど紹介したこの歌の歌碑にも3番までの歌詞しか掲載されていないようです。
【7月の高齢者おすすめ曲】われは海の子の過去を知って歴史を忘れない
私はこの歌の歌詞が7番まであるということは、音楽療法士になってから初めて知りました。
なぜ音楽療法士になってから知ったのかというと、先ほど紹介した鹿児島県の話題提供などのように、曲にまつわる話からコミュニケーションにつながるネタを探すという理由もあります。
しかし、その他に私自身作曲家としても活動しているので、曲を使用する場合などはその曲にまつわる歴史やお話を調べるということが敬意の一つであると思っているからです。
また、この曲の歌詞が消えたという過去を知ったことで、日本の歴史を忘れないように次の世代につないでいくことの大切さも感じています。
【7月の高齢者おすすめ曲】われは海の子を使った合奏活動の例
私も7月の時期にはこの【♪われは海の子】を選曲していました。
この曲を使って歌唱活動を行うこともあれば、合奏活動を行うこともあったのですが、今はコロナの影響もあって歌唱活動が難しいので、合奏活動に使用した際の例をご紹介します。
今回は集団レクレーションや集団音楽療法を行うという場面で、「一緒に楽器を鳴らすことで他者と一体感を感じる」という目標を立てた場合の例をご紹介します。
【7月の高齢者おすすめ曲】海の雰囲気を出そう
私は海にまつわる歌を選曲した時は、歌う前にまずは海の雰囲気を感じてもらうようにしています。
例えば、オーシャンドラムの音を聴いてもらったりなどがあります。
オーシャンドラムは聴覚だけではなく、視覚からも海らしいイメージができるので、夏の音楽療法や介護レクレーション活動におすすめです。
【7月の高齢者おすすめ曲】われは海の子のリズムを生かす
まず、この歌の原曲キー(調性)では高齢者の方には高すぎてしまうので、ハ長調に移調をしましょう。
移調ができたあとに改めてこの曲の楽譜を見てみると、
とこの同じリズムが続く形になっています。
ですから、この曲を使って一体感を感じることを目標に合奏するのであれば、
上記の楽譜のヘ音記号に記譜されているようなリズム提示をすると、歌いながらでも多くの方が鳴らしやすいリズムになります。
もし、指示だけでわからないという場合は、歌詞幕に鳴らす箇所を〇印を付けてみたり、伴奏もリズムを楽器を鳴らすリズムと同じように
上記のように簡単な伴奏でもいいので弾いたりするといいでしょう。
7月の高齢者おすすめソング
今回は夏の季節にぴったりの【♪われは海の子】の曲について書かせていただきましたが、この曲以外にも高齢者の方におすすめな曲はあります。
今回ご紹介した曲以外に、7月の季節におすすめな高齢者の方な曲を知りたいという方は過去の記事にまとめております。
参考にしたいという方は下記のリンクをクリックしてください。
7月の高齢者音楽療法・介護レクレーションにおすすめな曲はこちら
また、7月以外の季節におすすめな高齢者の方向けの曲を知りたいという方は、別の記事にてまとめているので、こちらを参考にしてください。
7月の高齢者におすすめな歌≪われは海の子≫は7番まであった⁉まとめ
いかがでしたでしょうか??
これから冷房前から離れられないくらい暑い夏がやってきて、今から気分が憂鬱という方もいるかもしれません。
ですが、そんなときは涼しくなれるような曲を通じて、気持ちから涼んでみてはいかがでしょうか??
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