(※2020年6月12日更新)
こんにちは。音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
今、音楽療法士の資格取得を目指している学生さんなどが気になることの中に、「頑張って資格取得しても、音楽療法士で働けるのだろうか」「音楽療法士の求人というのは、たくさんあるのだろうか」などという音楽療法士の求人の疑問というものがありませんか??
音楽療法士として働きたくて資格取得を目指しても、求人がどこにもなければ資格取得を考えてしまう、そんな方もきっとたくさんいるはず…。
今回は、そんな音楽療法士の求人の実態について、これまで専属音楽療法士、フリーの音楽療法士のどちらの立場でも働いた経験のある私からお伝えできることをまとめてみました。
ぜひ、音楽療法士としてこれから本気で働くことを考えている方は、ご一読いただければ嬉しいです。
音楽療法士の求人の現状
それでは早速、音楽療法士の求人の現状について書いていきます。
最近、テレビやメディアでも音楽療法を取り上げられることも増え、興味・関心を持つ方が増えてきてはいますが、その効果は求人にも影響を与えているのでしょうか。
フリーの音楽療法士が感じる、音楽療法士の求人の現状を次にまとめてみました。
音楽療法士の求人の現状①大きな都市がほとんど
音楽療法士の求人は、私が学生だった頃よりも年々増加しているということは間違いないでしょう。
しかし、求人先を見てみると、東京や大阪などの大きな都市での求人が多く、地方の求人はまだまだ少ないように感じます。
大学進学などで上京してそのまま働くという方は、求人に困ることはないかと思いますが、地方で活躍する音楽療法士を目指す場合は、まだまだ十分な求人数があるとは言えないというのが現状です。
音楽療法士の求人の現状②既卒者向けの求人は少ない
今、一番音楽療法士の求人情報を手にしやすいところは、音楽療法コースなど音楽療法を学べる音楽大学や音楽専門学校でしょう。
しかし、大学や専門学校に寄せられる求人情報というのは、もちろんほとんどが新卒者向け。
既卒者向けの音楽療法の求人は、常勤・非常勤共に実際はまだまだ数多くはありません。
ハローワークなどの公共機関はもちろん、求人雑誌やネット上で音楽療法士の求人を探しても、音楽療法士の求人自体を見つけるのが難しい状況です。
結論:音楽療法士の求人はまだまだ少ない
音楽療法士の求人自体は以前よりは増えているものの、まだまだ十分な求人数とは言えないのが現状です。
また、求人がある地域も偏りがあり、地方で音楽療法活動したい場合は更に難しいといえます。
音楽療法士の求人がないからと言ってあきらめる必要はなし
音楽療法士の求人が少ないことは、これまでのお話からご理解いただけたかと思いますが、求人がないからと言って音楽療法士として働くのを諦める必要は全くありません。
実は私が施設の専属音楽療法士になった際、音楽療法士の求人をしていない施設で専属音楽療法士なり、その後、フリーになった際も、当時住んでいた地域の音楽療法士求人がほぼ0な状態だったころにも関わらず、週6日依頼が来るフリーの音楽療法士として稼働していました。
なぜ、私が音楽療法士の求人がない地域に住んでいたのにもかかわらず、音楽療法士として活動できたのか。
その理由を、次の章にまとめてみました。
私が音楽療法士の求人していない施設で専属音楽療法士になった理由
まず、私が専属音楽療法士になった施設では、音楽療法士の求人はしておらず、児童福祉施設の支援員のみの求人でした。
私はその求人に応募し、面接時に音楽療法の資格を取得していることを伝え、そこで音楽療法の効果やすばらしさなどを話しました。
当時、面接してくれたのがたまたま会社の社長だったのもあり、私の話を聞いて音楽療法に非常に興味を持ってくれ、面接の最後に「音楽療法の資格があるなら、支援員だけではなく音楽療法士としても働いて欲しい」と社長から話をしていただくことができました。
当時、私が住んでいた地域では既卒者向けの音楽療法の求人がなかったので、社長からの提案は非常に嬉しかったです。
今でも社長には、非常に感謝しています。
求人がなくても面接時に自ら売り込んだことで専属音楽療法士に
この専属音楽療法士として採用されたときに気づいたことは、求人がないところでも音楽療法の話を自らすることで音楽療法士として働ける場合があるということ。
求人がないからと諦めずに音楽療法について熱く語ることで、会社側から興味を抱いてもらい、結果「音楽療法士として働いて欲しい」と言ってもらえました。
受け身の姿勢ではなく、積極的に音楽療法について話す等、自ら売り込む姿勢が非常に大切なんだと思いました。
音楽療法士の求人がないなら自ら仕事を作る
その後、私は専属音楽療法士を経てフリーの音楽療法士として働くことにしました。
フリーの音楽療法士として働こうと決めた時も、当時住んでいた地域で既卒者向けの音楽療法士の求人はほぼありませんでした。
一件だけ、知り合いの音楽療法士が退職するということを理由にお仕事をいただいただきましたが、音楽療法士一件のお仕事だけでは生活できるほどの収入は得られません。
そこで私は、どこにも音楽療法士の求人がないのであれば、自ら音楽療法の仕事を作ってしまおうと思ったのです。
音楽療法士の仕事を自ら作った道のり
では、どのようにして自ら音楽療法士という仕事を作っていったのか。
それは、音楽療法の現場となる高齢者施設や、児童福祉施設などに足を運んで、直接音楽療法の仕事をさせてもらえないか営業に行くという方法で仕事を作っていったのです。
これだけ読むと驚かれる方もいるかもしれませんが、今よりも音楽療法という言葉の認知度が低かったころ、私たちよりも大先輩の音楽療法士の皆さんも、施設や病院などに履歴書などを持って自ら仕事を作り上げた方がほとんどです。
私に音楽療法を指導して下さった大先輩の音楽療法士の方も、音楽療法士として働く際に何十件も病院や施設に周って履歴書を配ったり、実際に音楽療法をやって見せたりを繰り返して一件一件仕事を作っていったとお話していました。
音楽療法の営業回り気づいたこと
私はフリーの音楽療法士になると決意してからは、約30施設近い病院や福祉施設などに、音楽療法の仕事をさせてもらえないか営業してきました。
営業していて改めて気づいたことは、想像以上に「音楽療法って何ですか??」「音楽療法という言葉を初めて聞いた」など音楽療法という言葉すら知らない人が多いということ。
音楽療法を専門的に学んでいると、無意識に「音楽療法というのはみんな知っていて当たり前」のような感覚に陥ってしまいがちですが、当時はまだ施設や病院で働いている人の音楽療法に関する認知度が非常に低いということに気づいたのです。
音楽療法を知ってもらうために実践
営業している中で、想像以上に多くの病院や施設が音楽療法の認知度が低いということに気づいた私は、まずは音楽療法というのがどういうものか実際に見てもらえないか交渉をしました。
音楽療法の効果やすばらしさを説明することも大切ですが、「百聞は一見に如かず」という言葉もあるように、説明するよりも実際にどういうものか見てもらった方が理解が早いのでは、と感じたからです。
実際に病院や福祉施設などで音楽療法を実践させていただくと、「これは面白いですね」「参加されていた○○さんの歌声を初めて聴きました」など嬉しい言葉をたくさんいただくことができました。
その結果、気づけばフリーの音楽療法士として稼働し始めてから数か月で、週6日セッション依頼がやってくるまでお仕事をいただけるようになりました。
音楽療法を知ってもらえば可能性は自分で作れる
私が伝えたいこととしては、音楽療法の求人が少ないからと言って、夢を諦めないでほしいということです。
音楽療法は昔よりも認知度が高くなっていますが、まだまだ言葉だけ聞いたことがあるという方だったり、本質的な理解までしている方が少ないというのが現状です。
ですが、そのような現状でも、あなたの音楽療法士として働きたいという熱い思いと行動力があれば、あなたの熱意に動かされ、夢だった音楽療法士という仕事を自ら作ることは不可能ではないのです。
そして、あなたのその熱意より、日本全体に少しずつ音楽療法への興味・関心が高まり、結果、日本全国の音楽療法士の求人が増えることにも繋がると私は考えています。
音楽療法士の求人の実態は??まとめ
いかがでしたか??
これから音楽療法士として働きたいという方にとっては、もしかすると厳しいと感じられる内容だったかもしれません。
ですが、音楽療法士として働き続けていくためには、たとえ常勤であっても積極的に行動していくことが求められます。
これまでもお伝えしてきたように、あなたに音楽療法士として働く熱意と行動力、そしてバイタリティーがあれば、少しずつ全国的に求人を増やすことにもつながっていきます。
ですから、今希望勤務地域に音楽療法士の求人がなくても、あきらめずに音楽療法士として働く夢をつかみ取ってくださいね。
最近のコメント