8月の高齢者におすすめな曲【♪椰子の実】は二・二六事件で流行した⁉

みなさん、こんにちは。

音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。

毎日毎日暑い日々が続いていますが、夏バテになっていませんか??

今年の夏もまだまだ暑い日が続きそうですが、そんな季節には涼しくなれるような音楽を聴きたくなりますよね。

そんな暑い季節にぴったりの高齢者の方に人気な歌に【♪椰子の実】がありますが、実はこの歌、二・二六事件を理由に発表された当時大流行となったことをご存知でしょうか??

今回は、高齢者領域で音楽療法活動を行っていた私柳川が、高齢者の方を対象とした夏の音楽活動におすすめな【♪椰子の実】についてまとめてみました。

8月の高齢者音楽療法活動の内容をこれから考えられる方や、介護レクレーション活動を考えられる方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

 

【8月の高齢者おすすめ曲】椰子の実が作られたのはいつ??

今でも多くの方に愛されている【♪椰子の実】ですが、一体いつ頃に作られた歌なのでしょうか。

この曲が完成したのは、1936年(昭和11年)といわれています。

実はこの歌、先に歌詞が作られた後に曲が作られています。

1898年(明治31年)に民俗学者の柳田国男は渥美半島の伊良湖岬に滞在しており、そのときに椰子の実が浜辺に落ちているのを見つけたことを島崎藤村に話したことで、この歌の歌詞が生まれたと言われています。

その後、1936年(昭和11年)に当時放送されていた「国民歌謡」の担当者が大中寅二にこの詩に曲を付けるよう依頼したことで生まれた曲となっています。

【8月の高齢者おすすめ曲】椰子の実の作詞・作曲は誰??

ここまで曲がどのようにして生まれたかについて書いてきた中に、作詞・作曲者は出てきましたが、この【♪椰子の実】の作詞者は島崎藤村、作曲者は大中寅二です。

島崎藤村は、詩人、小説家として活躍した方で、歌詞では【♪初恋】などがあります。

また、作曲を手掛けた大中寅二は作曲家としてだけではなくオルガニストとしても活躍していた方で、彼の作品には数多くのオルガン作品が書かれています。

 

【8月の高齢者おすすめ曲】椰子の実の歌詞

それでは早速、【♪椰子の実】の歌詞をご紹介しましょう。

この歌は歌詞がP.Dとなっています。

1、

名も知らぬ 遠き島より

流れ寄る椰子の実一つ

故郷の岸を離れて

汝(なれ)はそも波に幾月

2、

もとの木は 生ひや茂れる

枝はなほ影をやなせる

われもまた渚を枕

孤身の浮寝の旅ぞ

3、

実をとりて 胸にあつれば

新たなり流離の憂(うれい)

海の日の沈むを見れば

激り(たぎり)落つ異郷の涙

4、

思ひやる八重の 汐々(しほじほ)

いづれの日にか国に帰らむ

以上が【♪椰子の実】の歌詞となります。

 

【8月の高齢者おすすめ曲】椰子の実が大流行した理由

この歌は昭和に入ってから完成した曲ですが、この歌は放送当時とても流行したと言われています。

歌詞に曲が付けられた後、当時人気歌手であった東海林太郎が歌いましたが、なぜこの曲が流行となったのかというと二・二六事件が関係していると言われています。

いつも私が使用している音楽療法士・菅田文子先生の楽譜によると

二・二六事件で世の中が不穏になる中、望郷をかきたてるこの歌は人々の心をとらえ、大流行しました。

(引用:弾き語りキーボード・セッション④音楽療法士の必須100曲【ノスタルジー編】)

との記載があります。

二・二六事件は学生時代に歴史の時間で学んだのですが、まさか音楽療法で選曲していた曲と歴史がこのように交わるとは私も思ってはいませんでした。

すっかり二・二六事件について忘れてしまっていたので、これを機に改めて勉強し直そうと思いました。

 

【8月の高齢者おすすめ曲】椰子の実の歌碑はどこにある??

そんな発表当時に日本人のたくさんの心をつかんだ曲となった【♪椰子の実】ですが、1961年に歌碑が建てられました。

場所は、柳田国男が最初に流れ着いた椰子の実を見つけたとされる、愛知県渥美郡渥美町に建てられました。

お近くにお住いの方や、近くに立ち寄った際は、ぜひ足を運んでみて下さいね。

 

【8月の高齢者おすすめ曲】椰子の実を使った活動例

高齢者の方に人気な【♪椰子の実】の歌は、暑い季節の8月ごろに良く選曲をしていましたが、ここからが私が実際に高齢者の方を対象とした音楽療法の活動例をご紹介いたします。

私が行っていた活動形態は集団でのセッションだったので、ここからはとある高齢者領域の集団セッションの一例と思って読んでいただければ幸いです。

椰子の実を使った活動例~海の雰囲気を出す

海関連の歌を歌うときの鉄板ですが、歌う前に海の雰囲気を出すといいでしょう。

例えば、オーシャンドラムという楽器を鳴らし、波の音をイメージしてもらったり、レインスティックを用いて水の音をイメージしてもらいます。

オーシャンドラムは魚などの絵が描かれているものもあり、音だけではなく視覚的にも海をイメージしやすい楽器となっているのでおすすめです。

オーシャンドラムはこちら

また、楽器だけではなく写真を提示して海をイメージしていただくことも行います。

楽器の提示がいいのか写真での提示がいいのかは、対象者の方に合わせたものを考えられるといいでしょう。

ぜひ、あなたの現場の対象者の方に合わせて検討されてみて下さい。

 

椰子の実を高齢者の方に合ったキー(調性)で伴奏できる楽譜

いかがでしたか??

ここまで読んでみて8月の音楽療法活動は椰子の実を歌おう!!と思って下さった方も多いかと思いますが、この歌を高齢者の方が歌う用に伴奏する際に、キー(調性)を変更する必要があります。

この曲の原曲のキー(調性)のまま演奏してしまうと、高齢者の方にとって高い音で歌わなければならない部分が出てくるので、歌いやすい高さに移調することを忘れないようにしましょう。

私はいつもこの歌を伴奏する際は、音楽療法士の菅田文子先生が編曲をした楽譜を使用しています。

この楽譜は、高齢者の方が歌いやすいキー(調性)で歌うことができるように【♪椰子の実】が編曲されているので、よろしければ参考にして下さい。

音楽療法士・菅田文子先生の楽譜はこちら

 

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8月の高齢者おすすめソング

今回は暑い時期に涼しい浜辺をイメージできるような【♪椰子の実】の曲について書かせていただきましたが、夏に高齢者の方に人気なおすすめ曲は他にもたくさんあります。

【♪椰子の実】の歌以外にも、8月の時期におすすめな高齢者の方に人気な曲については過去の記事にまとめさせていただきましたので、音楽療法活動や介護レクレーションの参考にしたいという方は下記のリンクをクリックしてください。

8月の高齢者音楽療法・介護レクレーションにおすすめな曲はこちら

また、8月以外の他の季節におすすめな高齢者の方向けの曲を知りたいという方は、12ヶ月別におすすめ曲をまとめていますので、下記リンクよりご覧ください。

12カ月の高齢者領域の音楽療法おすすめな曲はこちら

 

8月の高齢者におすすめな曲【♪椰子の実】は二・二六事件で流行した⁉まとめ

いかがでしたでしょうか??

今回は【♪椰子の実】について紹介をさせて頂きましたが、まさか二・二六事件と深いかかわりがあるとは思いませんでした。

今回のように、なじみ深い曲を調べることから日本の歴史とのつながりを知ることの大切さについて改めて気づかされました。

今回の記事をきっかけに、日本の歌を通じて歴史を学んでみようと思いました。

今後も様々な日本の古き良き歌について書いていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします!!

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