こんにちは^^
音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
最近は東京近郊で緊急事態宣言で、介護施設や高齢者施設の職員さんなど毎日室内で楽しく過ごせるようなレクレーション活動を考えていらっしゃいませんか??
これだけ長期間、外に出かけられない日が続いてしまうと、レクレーションのネタも尽きてしまい、もう何をして利用者と過ごせばいいかわからない…そんな職員さんもいらっしゃるのではないでしょうか??
今回は、そんな高齢者施設の介護士さんにも役立てるような、音楽を使うことによって、楽しみながら飽きずに継続してできる高齢者向けの脳トレをまとめてみました。
お金も準備も一切いらない脳トレをまとめてみたので、この記事を読むだけで、明日からレクレーションネタに悩むことがなくなるかも!!
ぜひ、明日からご活用いただければ嬉しいです^^
高齢者の脳トレは認知症予防にもなる
「脳トレ」という言葉は、以前よりもテレビや雑誌等で取り上げられるようになり、ずいぶん社会に浸透してきましたね。
実は、この脳トレは認知症予防につながると言われています。
認知機能の低下の要因の一つに、脳内の血流悪化がありますが、脳に必要なエネルギーを運ぶ酸素を運んでくれる血液の流れを促進すれば、認知機能の低下が防げるということが言えるのです。
そこで、脳を使ってトレーニングすることで、脳に必要なエネルギーを運ぶようになり、認知機能の低下につながるので、脳トレは認知症予防になると言われているのです。
脳トレに音楽を使うと効果が増える⁉
しかし、ここで認知症予防につながる脳トレに必要なことから、「毎日脳トレをしないと」と義務感から取り組むのはNGです。
義務感で脳トレに取り組んでしまうと、「やらなければいけない」というストレスがかかってしまい、段々と苦痛になり継続することが困難になってしまいます。
では、どうすれば楽しく脳トレを継続できるのか。
ここで活用できるのが、音楽なのであります。
脳トレに音楽を用いると楽しくなる
音楽の一番の魅力は、何と言っても感情を揺さぶられることでしょう。
悲しい音楽を聴くと悲しい気持ちになりますし、楽しい音楽を聴くと元気をもらえます。
ということは、聴いていて楽しい音楽を使って脳トレをすれば、楽しみながら継続的に脳トレを行うことができるのです。
私の音楽療法活動でも、音楽を用いた脳トレ体操などを行うときがありますが、脳トレ中には暗い表情の方は非常に少なく、皆さん笑顔で取り組まれているのが印象に残っています。
音楽を使うことで、義務感ではなく楽しみながら取り組む環境づくりができるので、非常におススメなのです。
音楽を使った脳トレにはデュアルタスクがおススメ
では、音楽を使った脳トレは実際にどのような活動なのでしょうか。
私が一番おススメする活動は、デュアルタスクというものです。
デュアルタスクというのは、二つの動作を一度に行うことをいいます。日本語では「ながら作業」なんて呼ばれ方もされています。
具体的にどのような動作を言うかと言いますと、電話をしながらメモを取る、テレビを見ながら料理を作るなどが挙げられます。
私たちの日常生活にも多く見られるデュアルタスクですが、実は、このデュアルタスクという行為自体に、認知症予防につながる効果があると言われているのです。
デュアルタスクの効果
なぜ、デュアルタスクが認知症予防につながる効果があると言われているかと言いますと、そもそも私たち人間は運動するだけでも、脳の体を動かす部分を活性化させています。
デュアルタスクでは、この体を動かす脳を活性化させるだけではなく、もう一つの動作の課題を達成させるために思考するので、思考の際に活用する脳の前頭葉の部分も活性化させられます。
結果、脳の様々な部分を活性化させるので、認知能力を向上させられるということが言えるのです。
脳トレに音楽×デュアルタスクを使うと楽しみながら継続できる
以上のことから、楽しく継続できる音楽の要素と、デュアルタスクの脳をたくさん活性化させる要素が組み合わされば、誰でも楽しみながら脳トレを継続して行いやすくなるのです。
この二つを組み合わせた認知症予防活動は、音楽療法活動の中でも非常に多く取り入れられています。
そこで、実際に私が高齢者を対象にした音楽療法の際に、実践していたデュアルタスク活動をご紹介してまいります。
介護職員さんはもちろん、これから施設に実習に行く予定のある音楽療法の学生さんなども参考にしてみて下さいね。
音楽を使った脳トレ実践例
それでは早速、音楽を活用した脳トレをご紹介いたします。
なお、これからご紹介する内容は、ピアノや楽器がない施設や環境でも簡単にできる内容です。
何も準備の必要もなく、今日からレクレーションの時間などで活用できるものを中心にご紹介いたしますので、ぜひ今日からでも活用していただければ嬉しいです。
【高齢者の脳トレ】①歌いながら手遊び
「歌いながら手遊びをするだけで脳トレになるの??」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これも立派なデュアルタスク活動であります。
歌は皆さんが歌詞を見なくても歌えそうな、童謡・唱歌を利用することをおススメします。
歌詞を見ないと歌えない歌を使ってしまうと、手を動かすことよりも歌に集中してしまい、本来の目的であるデュアルタスクが成り立たなくなる可能性があります。
私は音楽療法の中で、歌いながら手遊びを行う際は、
- うさぎとかめ
- うさぎのダンス
- かたつむり
- あめふり
など、短くて誰もがすぐに思い出せる歌詞のものを活用していました。
【高齢者の脳トレ】歌いながら手遊びのやり方
高齢者施設などのレクレーションなど、介護士さんや職員さんが司会進行をして歌いながら手遊びのやり方は、とっても簡単。
- まず、手遊びに使う歌を一度歌って歌詞確認
- 次にどのように手を動かすかを指示
- 歌詞と手の動きの確認ができたら、歌いながら手遊びを行う
- 慣れてきたら速度を上げる
という流れで行うと、バリエーションの変化も生まれ、飽きずに脳トレ活動ができます。
【高齢者の脳トレ】歌いながら手遊びの手の動かし方
歌いながら手遊びを行う際の手の動かし方は、まずは簡単な動作から細かな動きに変化させるといいでしょう。
私がデイサービスで音楽療法を行っていた際の手の動かし方は、
- まず、両手でグーパーの動きをする
- 様子を見てグーチョキ、もしくはパーチョキの動きに変更する
- もっとできそうな様子なら、左右非対称の動きをする
という流れでバリエーションをつけていました。
左右非対称の動きというのは、右がグーなら左はパー、左がグーなら右はパーというような動きです。
この活動では、デイサービスの利用者の方よりもデイで働く職員さんの方が上手く出来なかったりするので、デイの利用者様だけではなくスタッフの皆さんも盛り上がれる活動内容となっています。
【高齢者の脳トレ】歌いながら手遊びは3拍子の曲もおススメ
歌いながら手遊びをする活動では、3拍子の曲を活用するともっとバリエーションが付けられます。
3拍子の曲というのは、リズムが1・2・3という拍子でできている曲のこと。
童謡・唱歌の中で3拍子の曲を挙げると、
- ぞうさん
- 海
- ふるさと
- 赤とんぼ
- こいのぼり
などがあります。
【高齢者の脳トレ】3拍子の手遊び脳トレ活動
では、3拍子の曲を用いた歌いながら手遊び歌を行う場合、どのようにバリエーションを付けることができるのでしょうか。
私が行っていた音楽療法の中で、3拍子の曲を使ってデュアルタスク活動を行う際は
- 歌いながらグーパーパーの動きを繰り返す
- 慣れてきたらグーパーグーの動きに変化させる
- 更にできそうならグーチョキーパーの動きに変化させる
という流れで行っていました。
チョキの動きは歌の速度が速いと、中々難しい動きとなってくるので、チョキの動きを取り入れる際は歌う速度をゆっくりにしてあげましょう。
【高齢者の脳トレ】②歌いながら足踏み
二つ目にご紹介する音楽×デュアルタスクを使った脳トレ活動は、歌いながら足踏みをする活動です。
この活動では、座ったままでも取り組める活動なので、デイサービスのレクレーションなどでは非常におススメです。
ただし、車いすの利用者様がいる場合は、配慮する工夫を必ず忘れずにしましょう。
【高齢者の脳トレ】歌いながら足踏みする活動のおススメ曲
足踏み活動では、ついつい足踏みをしてしまう曲を用意しましょう。
ここで、足踏み活動を行う際におススメな曲は、
- 高原列車は行く
- 丘を越えて
- 汽車
- おお牧場は緑
など、テンポ感がはっきりしていて、かつ多くの方が歌えるような親しみのある選曲をするといいでしょう。
【高齢者の脳トレ】活動を行う際の言葉がけ
介護施設や高齢者施設の大集団などで、この歌いながら手遊びをするデュアルタスクを行う際に、参加者によっては「子供くさい」や「私たちをバカにしているのか」という思いをされる方もいらっしゃるかもしれません。
私も過去、学生時代に音楽療法の実習でこのデュアルタスクを行おうとしたときに、クライアントから「学生のくせにわしらをバカにしよって!!」と大声で怒鳴られた経験があります。
非常に認知症予防の脳トレに効果がある、この歌いながら手遊びをする活動なのですが、見た目はどうしても幼稚に見えてしまうのも無理はありません。
そこで、私は一見幼稚に見えてしまう活動を行う際には、「この活動を行うだけで、一気に脳が3歳若返りますよ!!」というように、この活動を行うだけでこれだけの効果があるということを事前にお伝えしてから活動してました。
この一言を添えるだけで、「それだけ効果があるなら少しやってみてもいいかな」と活動に興味を持ってくれる可能性が高くなるので、学生さんなどまだまだ若い子たちはぜひ活用してほしい言葉がけです。
音楽を使った脳トレを用いた音楽療法を体験したい方は
今回は音楽を用いた脳トレ方法についてお話をしてきましたが、実際に今回ご紹介した活動を受けてみたい、音楽療法に興味があるという方は、川崎市・横浜市・東京都内(一部)にて出張音楽療法を行っていますので、そちらにお申し込みください。
また、出張音楽療法対象地域外にお住まいの方は、オンラインでの音楽療法サービスをご用意しております。
対象地域外にお住まいの方も、お気軽にお申し込みください。
高齢者の脳トレのまとめ
いかがでしたでしょうか??
音楽とデュアルタスクを合わせれば、楽しみながら脳トレが出来てしまうので、ぜひ、今日からお家や施設のレクレーションにどんどん取り入れてみて下さいね!!
人生楽しむことが大事!!たくさん笑ってたくさん若返りましょう!!
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