(※2022年1月7日更新)
みなさん、こんにちは。
音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
私はこれまで音楽療法やリトミックにおすすめな楽曲について書いてまいりましたが、実は日本人に馴染み深い童謡・唱歌の中には、海外で生まれた曲もたくさんあるのをご存知でしょうか??
私も音楽療法を通じて様々な曲について深く調べるまでは、日本の歌だと思っていた歌が実は海外で生まれただったということをたくさん知りました。
そこで今回は意外に知られていない⁉︎海外生まれの日本の童謡・唱歌を12曲まとめてみました。
海外発祥の歌と知らずに日本の歌と紹介した赤っ恥の過去
なぜ、今回このような記事を書こうと思ったのかと言いますと、実は過去に海外生まれの曲を日本の曲として紹介してしまった苦い経験をしたことがあるからです。
私は音楽療法士という資格を持っており、主に児童や高齢者の方を対象に音楽を通じた活動などを行なっています。
そんな私が昔、音楽療法の勉強をしていた学生時代の実習で【♪蛍の光】を日本の歌と紹介して、担当の先生から超大目玉を食らった苦い思い出があります。
音楽療法士となった今は、「ちゃんと音楽療法で曲を紹介する前に調べなさいよ‼︎」とグーパンしたくなるのですが、当時の私は「【♪蛍の光】は日本の歌」と当たり前のように思っていたのです。
しかし、このときに大目玉を食らった経験から音楽を扱う人間は音楽のプロとしてきちんと曲について調べなければならない、と意識を改めることができました。
もしこのブログを読んでいるあなたが、何か童謡・唱歌を使用するお仕事をされているという方でしたら、この記事をきっかけにどこの国で生まれた曲なのか興味を持っていただければ嬉しいです。
海外発祥の歌を介護レクや音楽療法で行う時のポイント
私は音楽療法士として高齢者や児童を対象に童謡・唱歌を使用することが多いのですが、特に高齢者領域では海外生まれの曲の日本の童謡・唱歌を選曲した際は、歌を歌うだけではなくどこの国で生まれた曲なのかクイズを出します。
クイズを行う際はヒントとしてその曲が生まれた国の国旗を提示したり、世界地図を用意してどのあたりの国かなどをお伝えすることもあります。
また、資格的なヒントだけではなく、曲が生まれた国の文化などを伝えてどこの国で生まれたのかを考えていただくこともあります。
なぜ歌を歌う以外にクイズを出したりするのかというと、クイズを提示することで脳の活性化につながり、脳トレ活動にもなるからです。
どのようなクイズ内容にすべきか、ヒント提示がいいのかは、あなたが音楽活動を行う対象者や参加者の方に合わせた内容にするといいでしょう。
海外発祥の日本の童謡・唱歌13選
ここからは、実際にどんな日本の童謡・唱歌が海外生まれの曲なのかをご紹介していきます。
今回ご紹介する日本の童謡・唱歌は
- おお牧場はみどり
- 蛍の光
- つりがね草
- 霞か雲か
- 春風
- 蝶々
- 星の界(ほしのよ)
- 冬の星座
- 故郷の空
- 庭の千草
- 旅愁
- 埴生の宿
の12曲になります。
それでは一曲ずつ紹介してまいりましょう。
海外発祥の日本の童謡・唱歌1おお牧場はみどり
老若男女に人気な【♪おお牧場はみどり】ですが、実はこの曲は日本で生まれた曲ではなくチェコスロバキアの民謡なのです。
日本語歌詞を作ったのは、中田羽後という牧師さんが作詞しました。
実はこの曲は、長く国民に愛されている番組であるNHK「みんなのうた」の第一回目の放送となった曲でもあるのです。
そんな【♪おお牧場はみどり】の曲について過去のブログで詳しく書かせていただきましたので、詳細を知りたいという方は下記リンクよりご覧ください。
海外発祥の日本の童謡・唱歌2蛍の光
私が過去に音楽療法の現場で「日本の歌」と紹介して赤っ恥を書いた【♪蛍の光】ですが、この歌は日本生まれの曲ではなくスコットランドの民謡です。
原曲は、スコットランド民謡の「オールド・ラング・サイン」(Auld lang syne)という曲で、稲垣千穎(いながきちかい)という方が日本語歌詞を作成したと言われています。
日本でこの曲を聞くと、卒業式と閉店の音楽というイメージがありますね。
海外発祥の日本の童謡・唱歌3つりがね草
明治14年(1881年)に「小学唱歌(初)」に「うつくしき」という題名で掲載された【♪つりがね草】ですが、この曲はスコットランドの民謡が原曲となっています。
原曲となった歌は「スコットランドの釣鐘草」という曲で、戦争に行ってしまった恋人を待つ娘の心情を歌った歌といわれています。
海外発祥の日本の童謡・唱歌4霞か雲か
明治16年(1883年)に「小学唱歌集」に掲載された【♪霞か雲か】の原曲は、ドイツ民謡と言われています。
ちなみに、原曲のタイトルは【♪春の訪れ】というそうです。
日本語歌詞は加藤厳夫が手掛けましたが、戦後、勝承夫(かつよしお)という詩人が歌詞を改作しました。
また、同じ原曲で大和田建樹(おおわだたけき)が歌詞をつけたものが【♪小鳥の歌】という題名で発表されています。
海外発祥の日本の童謡・唱歌5春風
高齢者領域の音楽療法で、春の時期によく選曲をしていた【♪春風】ですが、この歌も日本生まれの歌ではなく、アメリカ人が作曲した曲が原曲となっています。
この曲の原曲は、【♪主人は冷き土の下に】というアメリカ人作曲家であるフォスターが作曲した曲で、加藤義清が日本語歌詞を作成しました。
海外発祥の日本の童謡・唱歌6蝶々
小さい頃に誰もが一度は歌ったことがあると言っても過言ではない【♪蝶々】ですが、実はこの歌も海外生まれの曲なのです。
この歌はスペイン民謡が原曲となっており、日本語歌詞を作成したのは【♪蛍の光】の日本語歌詞を作った稲垣千穎と野村秋足の二人と言われています。
海外発祥の日本の童謡・唱歌7星の界(ほしのよ)
高齢者領域の音楽療法で七夕やクリスマスなどによく選曲する【♪星の界】ですが、この曲の原曲はアメリカ人作曲家、コンヴァースが作曲した【♪いつくしき深き友なるイエスは】という賛美歌です。
この賛美歌は結婚式で使用されることもあるので、歌ったことがあるという方は多いかと思います。
この歌の日本語歌詞は、杉田代水が作詞しています。
海外発祥の日本の童謡・唱歌8冬の星座
昭和22年(1947年)に発行された「中等音楽」に掲載された【♪冬の星座】ですが、この歌はアメリカ人のヘイスという方が【♪愛しのモーリー】というラブソングが原曲となっています。
日本語歌詞は堀内敬三が作詞していますが、日本語歌詞の内容はラブソングから大きく変化したものになっています。
海外発祥の日本の童謡・唱歌9故郷の空
明治21年(1888年)に「明治唱歌第一集」に掲載された【♪故郷の空】ですが、この曲の原曲はスコットランド民謡といわれています。
この歌の日本語歌詞を作成したのは、【♪霞か雲か】と同じメロディーで日本語歌詞がつけられた【♪小鳥の歌】の詩を手掛けた大和田建樹が作詞しています。
海外発祥の日本の童謡・唱歌10庭の千草
高齢者領域の音楽療法でも人気な一曲の【♪庭の千草】ですが、この曲はアイルランド民謡の【♪夏の最後のばら】が原曲となっています。
日本語歌詞は里美義が手掛け、はじめ「菊」という題名だったそうですが、その後、歌い出しの「庭の千草」の歌詞が題名になったようです。
海外発祥の日本の童謡・唱歌11旅愁
秋の時期の高齢者音楽療法で選曲する【♪旅愁】ですが、この曲はアメリカの作曲家、オードウェイの【♪Dreaming of Home and Mother】が原曲となっています。
日本語歌詞は、詩人の犬童球渓(いんどう きゅうけい)が作詞しています。
海外発祥の日本の童謡・唱歌12埴生の宿
明治22年(1889年)に「中等唱歌集」に掲載された【♪埴生の宿】ですが、この歌はイギリスの作曲家、ビショップの作品【♪たのしき我が家】が原曲となっています。
日本語歌詞は、【♪旅愁】の日本語歌詞も手掛けた犬童球渓が作詞しています。
海外発祥の音楽を使った音楽療法プログラム例
音楽療法というと、日本の昔ながらの童謡や唱歌を使用する事をイメージされる方が多いかもしれませんが、今回ご紹介したような海外発祥の曲も使用することもあります。
実際にどのようなプログラム内容で行うのかは、過去の記事にまとめていますので、高齢者を対象とした音楽療法をされる方や介護レクレーションをされるという方はぜひ参考にしてください。
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今回、海外発祥の日本の童謡・唱歌についてまとめましたが、このような音楽療法士やリトミック講師、介護レクレーションに活用できる音楽ネタを無料メルマガでも配信しております。
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意外と知らない⁉︎海外発祥の日本の童謡・唱歌12選まとめ
いかがでしたでしょうか??
今回の記事を読んで、日本発祥の童謡・唱歌と思っていた歌が実は海外生まれの曲だったことを知った方もいらっしゃるかもしれませんが、生まれた国を知った後だと曲に対するイメージなども大きく変わりますよね。
ぜひ、今回の記事をきっかけに昔から歌っている曲がどこの国生まれなのかをチェックしてみてはいかがでしょうか??
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