この記事を読んでいるそこのあなた、実は毎月、毎週の介護レクレーション活動を考えることに疲れていませんか?
ご挨拶が遅れました。
私、児童と高齢者領域を専門に音楽療法活動をしている日本音楽療法学会認定音楽療法士の柳川円(やながわまどか)と申します。
高齢者を対象とした音楽療法を行う中で、高齢者施設ではレクレーション形式として音楽療法を行う場合もたくさんありました。
音楽療法士としてデビューした頃は、毎月、毎週の介護レクレーション形式としての活動を考えるのは、音楽療法士としてもなかなか大変な作業でした。
同じ活動ばかりをしても飽きてしまうし、目新しい活動をしても参加者の皆さんがついて来れず、離脱してしまう方が増えてしまうのではないか…
はたまた、時間がなくて事前準備をする時間がないので、やりたいことの準備が思うようにできないなんていうこともしばしばありました。
それは音楽療法士として経験を積み重ねた今でも同じことが起きたりしていますが、音楽療法士というのは「クリエイティブな仕事である」と私は考えています。
そんなクリエイティブなアイディアを出す基盤には、いつも忘れないようにしている音楽療法のポイントやキーワードを意識しているのですが、今回は音楽療法士である私が高齢者向けの介護レクレーションを考える際の考え方やポイントについてお話をしていきます。
毎月、毎週の介護レクレーションを考えている方や、介護レクレーションのネタを探しているけどどうしていいかわからないという方は、ぜひ参考にしてください。
【高齢者向け介護レクレーションネタ】選曲は超重要‼︎
まず、音楽を用いた介護レクレーションを行う際、一番気をつけなければいけないのは、選曲です。
このブログでは、私がこれまで高齢者領域で音楽療法活動をする中で人気だった季節の音楽を紹介していますが、それはあくまで大多数の方に人気だった曲であって、全員の人が好みの曲であるとは限りません。
音楽療法で選曲する際に注意することは、対象者や参加者の個人史を知り、適切であるかどうかです。
Aさんにとってはお気に入りの曲でも、Bさんにとっては嫌な思い出の曲かもしれない。
そのようなことが起きないよう、まずは参加者の方々にとって適切な選曲となるよう注意することが、音楽を用いた介護レクレーションネタを実践する上で注意すべきことです。
ちなみに音楽の著作権ですが、自己責任にてJASRAC等のHPをみて確認をしてください。
【高齢者向け介護レクレーションネタ】インスタント・サクセスを意識する
私が高齢者の方向けの介護レクレーションを音楽療法活動で行う際は、インスタント・サクセスを意識しています。
インスタント・サクセスというのは音楽療法のキーワードの一つです。
介護レクレーションでは数十人の小〜大集団で行う場合が多いかと思いますが、皆さんで楽器演奏を行う際に、一人ひとり違うパートを演奏を指示したりすると、音楽経験が少ない、またはない人からすると「私になんてこんなことできない」と一瞬で居心地の悪い場になってしまいます。
そうならないように、練習することなく、すぐにその場で達成感が得られるような活動内容にすることは、音楽療法では大切なキーワードだったりします。
楽器を用いたり、ダンスや体操など動きを用いる音楽を使った介護レクレーションネタを行う場合は、練習しなくても誰でも簡単にできる活動内容になっているかどうか、意識されると良いでしょう。
【介護レクレーションネタ】集団で歌うだけでも効果大
介護レクレーションを考える上で、何か道具などを準備しなければと思われる方は多いかもしれませんが、他者と一緒に歌うだけでも様々な効果があると言われています。
歌を一緒に歌うという活動は、障害などのレベルが様々であっても幅広く適応できる活動なので、音楽療法の中でもよく取り入れられています。
また、これは私一個人として感じることとして、他者と一緒に歌うというのは一人で歌うカラオケよりも歌が苦手な人なども声が出しやすい環境であるのでは、と思います。
他者と一緒に歌うということは、他の方との一体感を生みますし、さらに声を出すということで、対象者や参加者の方の内に秘めた感情表出を促す効果があると言われています。
【介護レクレーションネタ】季節を感じる歌を選曲することで見当識訓練にも
高齢者の方を対象とした介護レクレーションを行う際、参加者の方の中には認知症により見当識障害のある方がいる場合があります。
そんな方がいる場合などは、季節の歌を選曲し、歌唱活動をすることで見当識訓練につながります。
過去のブログ記事にて、季節にあった高齢者の方におすすめの曲をまとめていますので、そちらも是非参考にしてみてください。
【介護レクレーション】楽器の選択にも注意
楽器を使用した介護レクレーションを行う場合は、鈴やカスタネットなどの簡易楽器を使用する場合が多いかと思いますが、このような楽器は高齢者の方に限らず、幅広い世代や現場で使用されます。
人によっては保育園などの子供が使用する楽器というイメージを持つ人もいるので、このような楽器を高齢者の方に配布する際には配慮が必要です。
「どのような目的で、どのような効果があるから、この楽器を使用する」
この3点をしっかり事前に説明するだけで、幼稚な印象が払拭され、意欲につながる場合があります。
ですから、使用する場合は参加者が不快な思いをしないように、参加者に適した説明等をするように心がけましょう。
【介護レクレーションネタ】季節に合った介護レクレーションネタはこちら
今回ご紹介した活動内容の考え方を用いて、過去の記事では季節に合った介護レクレーションネタを更新しています。
具体的な介護レクレーションネタを知りたいという方は、下記リンクよりクリックしてご覧ください。
高齢者向け介護レクレーションネタを考える際の音楽療法的アドバイスまとめ
いかがでしたでしょうか?
日々の介護業務をしていると、なかなかレクレーション内容を考える時間が持てないかもしれませんが、これらの考え方を踏まえれば、なんらかのアイディアが降ってくるかもしれません。
今、介護レクレーションネタにつまずいている人は、是非参考にしてみてください。
(参考引用文献等:標準 音楽療法入門(下)実践編(春秋社)より)
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