音楽療法のやり方(手順)①アセスメントとは??〜児童編〜

みなさん、こんにちは。

音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。

音楽療法を行う上で、プログラムなどを考える前にアセスメントは必要です。

しかし、音楽療法士としてデビューしたばかりの方や経験が少ない方の中には、一体何を参考にしながらアセスメントを取ればいいのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。

なぜならこの私自身、音楽療法士として働き始めた頃、アセスメントをどのようにしていいか、何を参考にすればいいのかがわからなかったからです。

もちろん、音楽療法を学ぶ中でいくつかのアセスメント例などを学ぶことはありましたが、音楽療法のアセスメントというのはこれと決まった形式があるわけではなく、様々な形式などで行われることが多いことから、働き始めた頃自分は一体どんなアセスメントをすればいいのかわからなくなってしまったのです。

もしかするとこのブログを読んでいる方の中にも、昔の私の様な方がいるのではないかと思い、今回は児童領域で音楽療法を行う上で大切なアセスメントについてまとめてみました。

記事の中には、私がアセスメントする上で参考にさせていただいた書籍も紹介させていただきましたので、どんな本に音楽療法のアセスメントについて詳細に書いているのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

【音楽療法のやり方】アセスメントとは??

まず、そもそもアセスメントとは一体何なのでしょうか。

アセスメントとは「査定」という意味で、クラアントがどのような症状や状態なのかを知ることをいいます。

アセスメントをすることは、これからの目標設定やプログラム形成をしていくための見立てとなるもので、音楽療法を行う上で非常に大切なものとなります。

 

【音楽療法のやり方】情報収集するアセスメント

音楽療法を実施する前にアセスメント行うことは非常に大切ですが、事前に情報収集すべきアセスメントとして

  • 障害について
  • 運動面について
  • 行動面について
  • 音楽活動の様子

などをアセスメントの情報として収集していました。

【音楽療法のやり方】アセスメント①障害について

アセスメントの中で、障害について事前に親御さんなどに伺っていました。

障害名がある子は障害名を伺い、障害の程度や麻痺や発作があるかなどもできる範囲で情報収集をします。

【音楽療法のやり方】アセスメント②運動面について

運動面についての調査も大切です。

例えば、大きな動きの粗大運動や細かな動きの微細運動は問題なくできるかなどを知ることは、音楽療法活動を行う前に知る必要があります。

【音楽療法のやり方】アセスメント③行動面について

多動的であるか、集中力が低いかなどの行動面についても、音楽療法を行う上で大切な情報となるので、事前に収集できる様でしたら収集しておくといいでしょう。

【音楽療法のやり方】アセスメント④音楽活動の様子

音楽療法をこなう上で、音楽活動の様子のアセスメントはとても大切です。

例えば好きな音楽や音色などのことや、楽器に興味を示すかどうかなども、大切な情報です。

【音楽療法のやり方】一度アセスメントのための音楽療法を行う

4つ目の音楽活動の様子のアセスメントを行うために、一度アセスメントをするための音楽療法を行います。

実際に音楽療法活動を行いながら、どれだけ楽器や音楽に興味があるのか、音がなる方に視線を向けることができるかなどをアセスメントするといいでしょう。

 

【音楽療法のやり方】アセスメントの参考にしていた本

音楽療法関連書籍の中には、アセスメントシートとなるものが掲載されているものもあります。

最初にお伝えした様に、私自身音楽療法士としてデビューしてまもないころ、一体どの様にしてアセスメントをすべきなのか、アセスメントの参考となる本は一体どれなのかわからない状態のときがありました。

ここからは、私が児童領域で音楽療法を行う際のアセスメントの参考にしていた本をご紹介します。

どの本もアセスメントだけではなく、児童領域での音楽療法に関する役立つ情報が掲載されている本なので、今児童領域で音楽療法をされている方はぜひお手にとっていただければと思います。

【音楽療法のやり方】アセスメントおすすめ本①子どもの世界をよみとく音楽療法―特別支援教育の発達的視点を踏まえて

児童領域での音楽療法士としてデビューした頃にとても参考にしていた本がこちら。

この本には、付属のCDにクライアントの障害などのことを記載できる個人アセスメントの票のデータが入っています。

またそれ以外にも、音楽活動のアセスメントとなる音楽活動チェックリストも付属のCDに入っているので、具体的にどんなアセスメントすべきなのかが非常にわかりやすく掲載されています。

また、同じCDの中に実際に児童領域で音楽療法活動を行っている様子の映像を見ることができます。

児童領域でのアセスメントだけではなく、実際の音楽療法活動の様子を見てみたいという方にも、こちらの本はおすすめです。

子どもの世界をよみとく音楽療法―特別支援教育の発達的視点を踏まえての本はこちら

また、この本と同じ著者の加藤博之先生のこちらの本もアセスメントについての詳しいことが書かれているのでとても参考になります。

こちらの本には動画などのCDは付属されていませんが、児童領域の具体的な音楽療法活動がたくさん掲載されているのでとても参考になります。

子どもの豊かな世界と音楽療法―障害児の遊び&コミュニケーションの本はこちら

【音楽療法のやり方】アセスメントおすすめ本②感覚統合を活かして子どもを伸ばす! 「音楽療法」 苦手に寄り添う楽しい音楽活動

次に私が児童領域のアセスメントの参考にさせていただいた本が、こちらです。

こちらの本では、「音楽療法士のための感覚統合チェックリスト」が掲載されています。

これは、感覚統合の考え方についてわかりやすく紹介している本を参考に作られた簡易アセスメントとなっています。

また、この本ではその簡易アセスメントが掲載されているだけではなく、「感覚統合チェックリストと活動の対照表」が掲載されています。

簡易アセスメントとなっているチェックリストからこの対照表を見ると、各チェック項目に適した活動についても書かれているので、大変勉強になりました。

児童領域で感覚統合の視点からの音楽療法を学びたい、実践したいという方にとっては非常におすすめしたい一冊となっています。

感覚統合を活かして子どもを伸ばす! 「音楽療法」 苦手に寄り添う楽しい音楽活動の本はこちら

 

アセスメントをする時は「できない」より「できる」に意識する

これは私自身の経験から思うことなのですが、まだ音楽療法士として経験が浅いと、音楽活動のアセスメントをしている最中にクライアントの「できない」部分にフォーカスしてしまいがちになります。

なぜなら、この私自身がそうだったから。

しかし、「できない」と思う中にも「できる」ことは必ずあるはずです。

アセスメントをする中で、「できない」だけではなく「できる」ことを見つけることも大切なことです。

「できる」ことを見つけ、そこにアプローチすることはそのことを肯定的に受け入れるということになり、その関係からクライアントである児童は積極的にセラピストに長所を見せてくれることにつながります。

自分らしさを見せることができるやりとりというのは、クライアントとセラピストの関係を構築する上でとても大切なことです。

この関係性が構築することで、セラピストはクライアントの本来の姿を知ることができるからです。

ですからもし、アセスメントをする中で「できない」ことばかりにフォーカスを向けてしまっていることに気づいたら、「できる」を見つけることも大切ということを思い出してください。

 

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いかがでしたでしょうか??

音楽療法を行う上でアセスメントは非常に大切ですが、必ずこのような形式や書式で行うという決まったものもないので、音楽療法士として活動し始めたばかりだったり、経験が少ないと一体どんなふうにアセスメントすべきかわからなくなってしまうという方もいるかもしれません。

そのような悩みを持っているというあなたは、ぜひ今回の記事に紹介した様な音楽療法専門書籍を参考にしながら、あなたの現場のクライアントに合ったアセスメントをしていただければと思います。

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