(※2020年7月25日更新)
みなさん、こんにちは。
音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
もう少しで夏真っ盛りな8月がやってきますね。
今回は、そんな8月の高齢者音楽療法におススメな唱歌・童謡、そして歌謡曲をご紹介いたします。
ぜひ、これからの時期の音楽療法活動やレクレーション活動に生かしてください。
8月の音楽療法のテーマは夏

8月と言えば、夏真っ盛りな季節。
高齢者を対象に音楽療法を行う際は、夏が感じられる歌を中心に選曲するといいでしょう。
また、8月には甲子園や夏休みというビックイベントもありますので、それにちなんだ選曲もしてみるといいです。
【高齢者】音楽療法8月おススメ曲~童謡・唱歌編~

それでは早速、8月の時期におススメな高齢者を対象にした音楽療法の曲を紹介してまいります。
今でも歌い継がれている歌もあれば、若い世代にはなじみがなくても、高齢者の皆様にはなじみ深い曲もあるので、対象者に適切な曲を選曲しましょう。
【高齢者】8月の音楽療法おススメおススメ曲~かもめの水兵さん~

昭和12年に作られた童謡の、「♪かもめのすいへいさん」。
この歌は、作詞した武内俊子の叔父がハワイに旅行するのを見送った際に、作られた歌と言われています。
武内俊子の叔父は横浜港から出港したことから、横浜の山下公園にはこの歌の歌碑が建てられています。
また、この歌の歌碑は山下公園だけではなく、武内俊子の生まれ故郷である広島県の宮浦公園前と、この歌を作曲した河村光陽の故郷である、福岡県、そして河村光陽の墓がある東京都にも建てられています。
【高齢者】8月の音楽療法おススメおススメ曲~浜千鳥~

大正8年に作曲された歌である、「♪浜千鳥」。
この歌は、作詞をした鹿島鳴秋(めいしゅう)が幼い娘を亡くした悲しい思いから作られたと言われています。
とてもあたたかさを感じるメロディーですが、どこか切なさを感じる歌でもあります。
この歌の歌碑は、千葉県南房総市に建てられています。
【高齢者】8月の音楽療法おススメおススメ曲~椰子の実~
昭和11年に作られた歌、「♪椰子の実」。
この歌は、愛知県渥美半島に黒潮の流れに乗ってたどり着いた椰子の実を見た柳田国男という学者が、友人である藤村藤村に話したことで生まれたと言われています。
椰子の実が海に流れつくなんて、世界は海でつながっていると改めて実感させられますね。
【高齢者】8月の音楽療法おススメおススメ曲~花火~

昭和16年に作られた唱歌、「♪花火」。
この曲を作曲した下総皖一は、作曲者でもありながら、音楽教育者としても活躍していました。
「♪花火」以外にも、「たなばたさま」の作曲も手掛けています。
音楽教育者だけあって、子供にもなじみやすい音楽となっていますね。
【高齢者】8月の音楽療法おススメおススメ曲~夏の思い出~

昭和24年に作られた歌、「♪夏の思い出」。
歌詞の中には、日本の古き良き夏の姿が描かれています。
歌の中に出てくる「尾瀬」は、福島・新潟・群馬の3件にまたがる地域のことで、その中心となる尾瀬ヶ原は日本でも有名な湿原の一つです。
また、「シャクナゲ色」というのは、漢字で書くと「石楠花」と表記される白や赤、ときには黄色の色がつく花のこと。
このように、歌詞を振り返るだけでも勉強になることがたくさんある歌でもあります。
【高齢者】音楽療法8月おススメ曲~歌謡曲編~

8月は夏が大きなテーマもありますが、終戦というテーマもある月です。
高齢者を対象にした音楽療法では、戦争に関わる歌を取り扱う際には慎重になるべきですが、戦争前後に流行した歌は多くの国民の心の支えになったものが多いです。
ぜひ、対象者に合わせた選曲の参考にしていただければ嬉しいです。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~ラジオ体操の歌~

夏休みと言えば、ラジオ体操ですよね。
そんな夏休み時期にぴったりの歌に、「♪ラジオ体操の歌」があります。
実は作曲されたのは昭和6年と、とても歴史が長い歌なのです。
参加者の皆さんに、夏休み気分を味わってもらうにはぴったりの曲でしょう。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~朝はどこから~

昭和21年にラジオ体操第二弾として放送された歌である、「♪朝はどこから」。
その後、岡本敦郎と安西愛子のデュエットがレコードとしてリリースされ、たちまち人気曲になりました。
夏のさわやかな感じと、元気さが感じられる歌です。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~栄冠は君に輝く~
8月には毎年甲子園が開催されますが、そんな甲子園が盛り上がっている時期におススメなのが、この甲子園のテーマソングである「♪栄冠は君に輝く」。
この曲を聴くだけで、誰もが甲子園球児の熱い戦いが目に浮かんできますね。
参加者の中に、甲子園ファンの方がいましたら、今どこの高校が勝ち進んでいるかなどインタビューしてみるのもいいでしょう。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~憧れのハワイ航路~

夏にぴったりの青い海、青い空が思い浮かぶ国といえばハワイですよね。
そんな夏の雰囲気を味わう歌としてオススメなのが、「♪憧れのハワイ航路」。
昭和21年ごろから数年間、アメリカなどの憧れをテーマに歌われた歌がいくつか発表されていましたが、この「♪憧れのハワイ航路」もその中の一つの曲といわれています。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~誰か故郷を想わざる~

昭和15年にリリースされた、霧島昇が歌う「♪誰か故郷を想わざる」。
8月のお盆の時期に地元故郷に帰られる方は多いですが、そんな時期にぴったりの曲です。
この歌は、始め作られた後売れないと予想されたことから、戦時中の慰問先で歌われていましたが、慰問先で渡辺はま子が歌い出すと、多くの兵士が涙を流したという話があります。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~東京音頭~

お盆の時期には全国各地で盆踊りが開催されますが、盆踊りの歌の中でも定番の曲が、この「♪東京音頭」。
プロ野球チームのヤクルトスワローズの応援歌でもあるこの歌は、聴くだけで手拍子をしたくなるのは日本人のDNAだからでしょうか。
お盆の時期には、この「♪東京音頭」以外にも、北海道なら「♪北海盆唄」、山形なら「♪花笠音頭」など、ご当地の盆踊りの歌を使用するのも非常に盛り上がります。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~長崎の鐘~

昭和24年に藤山一郎が歌いリリースされた、「♪長崎の鐘」。
この歌は、元々長崎で被曝された医師が被曝体験をつづってベストセラーになった「長崎の鐘」から、サトウハチローが作詞したと言われています。
最初は少し暗さを感じる短調から始まりますが、後半は明るさを感じさせる長調へ転調しており、「戦争のない明るい未来」というメッセージ性を感じます。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~かえり船~

バタヤンこと田端義夫が昭和21年に歌いヒットした、「♪かえり船」。
この歌は、敗戦により朝鮮や樺太などから引き揚げた人たちを題材にして作られました。
余談ですが、私の祖父は酔っぱらうといつもこの歌を口ずさんでいました。
それほど戦争を体験した人たちの心に残る歌だったんだな、と今改めて思います。
【高齢者】8月の音楽療法おススメ歌謡曲~異国の丘~

昭和23年に歌われた、「♪異国の丘」。
この歌の原曲と言われている歌は、戦時中満州に陸軍としていた吉田正が、舞台のために作曲した歌と言われています。
その後、シベリアから帰還した一人の兵士が、NHKののど自慢でこの歌を歌い、たちまち全国に広まりました。
【高齢者】これまで紹介した季節に合わせた音楽療法ソング

このブログでは、これまで季節に合わせた高齢者の音楽療法おすすめソングを紹介してきました。
よろしければこちらも参考にして下さい。
【高齢者】音楽療法のおススメ曲選び〜8月編〜まとめ

いかがでしたか??
8月は様々なイベントがありますので、甲子園やラジオ体操などにちなんだ歌を歌うだけでも盛り上がります。
ぜひ、この記事を参考に、対象者に合った選曲に生かしていただければ嬉しいです。
こんばんは。
医療職ですが、生活の満足度サポートのために、
音楽を取り入れていくことを考えています。
今まで、デイサービスで行ってきましたが、
8月の歌など、様々あるため参考にさせていただけたらと思います。
丁寧なブログをありがとうございます
月水花さん
コメント、ありがとうございます^^
ぜひ、このブログを参考に
色んな歌を利用者さんと歌ってみて下さいね♪
はい♪参考にします
柳川円さん、こんばんは。私は夏の思い出の曲好きです。皆さんと楽しむのはもちろん、私自身8月末あたりまで、はるかな尾瀬ーと歌って楽しみたいと思います。最近いそがしくなってきて、
のんびりマイペース保つの難しくなってきたからこそ、
円さんのブログから癒されたり、勉強させてもらい
元気になります。優しいイラストや動画も分かりやすいです。いつもありがとうございます
柳川さん、おはようございます。初めましての挨拶、説明少なくて申し訳ありません。一年前までは、デイサービスでよく看護や介護、音楽の力で利用者様の喜びサポートなどを行ってきましたが、今は病院勤務のため
趣味やボランティアで行うというかたちになってしまいました。このご時世どこにも行けず、音楽から遠ざかっていますが、今の病院で音楽に関するケアを行うか、いつか趣味の音楽を再開してボランティア行うか思案中です。それまで、音楽療法に必要なことや心構えなど忘れないようにするために、
円さんのブログ見て学んでいます。よろしくお願いします