こんにちは‼︎
音楽療法士&リトミック講師の柳川円です。
このブログを読んでくださっている方の中に、今高齢者専門の音楽療法士を目指しているけれども、実際にどのようなプログラム内容で音楽療法を行えばいいかわからないという方も、多いのではないでしょうか。
そこで今回はそんなあなたのために、フリーの音楽療法士の私が実際に高齢者を対象に音楽療法を行なっていたプログラムの立て方などについてまとめてみました。
今、高齢者領域の音楽療法に興味がある方は、ぜひご一読ください。
【高齢者】音楽療法のプログラムの立て方
まず、高齢者を対象にした音楽療法に限らず、プログラムを立てる前に行わなければいけないのは、対象者を知るということです。
対象者はどのような障害や疾患があるのか。
また、日常的に個々が抱える問題などもヒアリングします。
このように、効果のある音楽療法活動を目指すには、まずは対象者を知ってからプログラムを立てていくことが大切です。
【高齢者】音楽療法士が覚えておきたい疾患・疾病
高齢者を対象とした音楽療法を行う場合に、知っておきたいこととして認知症があります。
認知症には、
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 血管性認知症
の3大認知症とよばれるものがあります。
もちろん、高齢者を対象とした音楽療法士になるためには、認知症以外の疾病・疾患についても学ばなければいけませんが、まずは認知症だけでもしっかりと押さえておきましょう。
過去に認知症についてまとめた記事もあるので、よろしければそちらもご覧ください。
【高齢者】音楽療法の実際のプログラム例
それでは早速、高齢者を対象に私が行なっていたプログラムを例にしながら、音楽療法活動のプログラムの立て方について説明をしていきます。
今回例にするのは、デイサービスでの集団セッションで行なっていたプログラムです。
デイサービスでの音楽療法を行う場合は、
- 認知症予防
- 発散
- 余暇の充実
- 美的体験
などの目標を元に、音楽療法のプログラムを立てていました。
では、それらの目標に対して、どのようなプログラム内容を組み立てていたのか。
具体的に説明していきましょう。
高齢者音楽療法プログラム例…①はじまりの歌
音楽療法の最初に、「はじまりの歌」となる歌を歌唱します。
毎回「はじまりの歌」となる歌を歌うことで、これから音楽療法が始まるという意識が生まれます。
「はじまりの歌」となる歌は、
- 明るく元気な曲
- 多くの人に馴染みのある曲
- 短めの曲
などを意識して選曲するといいでしょう。
【高齢者音楽療法】はじまりの歌となるおススメソング
高齢者を対象とした音楽療法の「はじまりの歌」にオススメな歌をいくつかご紹介いたします。
私がよく使用していた歌は、
- 世界の国からこんにちは
- 365歩のマーチ
などを使用していました。
これから音楽療法の「はじまりの歌」となる歌を探している方は、参考にしてみてください。
高齢者音楽療法プログラム例…②見当識
はじまりの歌を歌った後は、見当識確認を行います。
見当識とは、
現在の年月や時刻、自分がどこに居るかなど基本的な状況把握
(引用:ウィキペディア)
のことをいいます。
音楽療法では、「はじまりの歌」となる歌を歌った後に、今日の日付や天気などを確認します。
【高齢者音楽療法】見当識を盛り上げる一工夫
見当識の時間に、日付かなどを確認した後、私はいつも「今日は何の日」という話題をしていました。
特に、「カレーの日」「メロンパンの日」など食べ物にまつわる日は、参加者のみなさんの反応がとても良かったです。
「今日は何の日」かという話題から、「皆さんはカレーが好きですか??」など話題提供にもつながるので、非常にオススメです。
また、女性の参加者が多い場合は、「今日の花言葉」をお伝えして、実際にお花の写真をお見せするのもとても盛り上がりますよ。
また、見当識については別の記事にもまとめましたので、そちらも合わせてご覧ください。
音楽療法で行われる現実見当識訓練とは??【音楽療法士実践例】
高齢者音楽療法プログラム例…④発声
見当識確認の後は、発声を行います。
高齢者を対象とした音楽療法の発声活動では、よく「パタカラ」の言葉を使用していました。
実際にどのような発声をしていたかを知りたい方は、過去のブログを参考にしてください。
高齢者音楽療法プログラム例…⑤季節の歌
発声を終えた後は、季節の歌を歌います。
季節の歌を歌う理由は、今の季節にぴったりな歌を歌うことで、今は何の季節なのかをより感じてもらうためです。
また、ここで唱歌や童謡など多くの人に馴染み深い歌を選曲することで、音楽療法活動に初参加の方でも「私でも歌える歌がある」と参加へのハードルを下げることにつながります。
12ヶ月の季節の歌のおすすめ曲は過去のブログに多数掲載してきたので、そちらを参考にしてください。
高齢者音楽療法プログラム例…⑥楽器活動
季節の歌を歌った後は、楽器活動を行います。
楽器を演奏しながら歌う活動は、認知症予防につながる脳トレになります。
参加者の方のレベルを見ながら、楽器を鳴らす指示を細かくしたり、歌いながら演奏するなど、創意工夫をしていきましょう。
脳トレについては過去のブログでも書かせていただきましたので、そちらも参考にしてください。
高齢者音楽療法プログラム例…⑦鑑賞
楽器活動の後は、鑑賞活動を行います。
音楽療法には、プロの演奏を聴く美的体験を目的とした観賞が盛り込まれることがあります。
音楽療法士は、音楽療法士の前に演奏家であります。
参加者の心に響くような演奏を届けられるよう、日々音楽技術の鍛錬をしておきましょう。
高齢者音楽療法プログラム例…⑧歌唱
美的体験を目的とした鑑賞の後は、歌唱活動を行います。
ここでの歌唱では、歌謡曲を盛り込むことが多いです。
音楽療法活動の中で、童謡・唱歌などばかり選曲してしまうと、参加者の方が物足りないと感じてしまう活動になってしまうため、私は最後に歌謡曲を用意していました。
歌謡曲の趣味・嗜好は、100人いれば100通りなのですが、なるべく参加者の方が好むような選曲をするように心がけましょう。
高齢者音楽療法プログラム例…⑨終わりの歌
最後に、音楽療法の終わりとして「終わりの歌」となる歌を歌います。
「終わりの歌」も「はじまりの歌」同様、この歌を歌って音楽療法が終わるという意識をしていただくために歌います。
【高齢者音楽療法】終わりの歌となるおススメソング
高齢者を対象とした音楽療法の「終わりの歌」にオススメな歌をいくつかご紹介いたします。
私がよく使用していた歌は、
- 今日の日はさようなら
- 千の風になって
- 夕焼け小焼け
- ふるさと
などを使用していました。
これから音楽療法の「終わりの歌」となる歌を探している方は、参考にしてみてください。
季節に沿った音楽療法プログラムを調べたいという方はこちら
今回は高齢者の方を対象とした集団音楽療法活動のプログラム例をご紹介いたしましたが、12ヶ月それぞれの季節に沿った音楽療法のプログラムの例を調べたいという方は、これまでの記事にまとめていますので下記リンクよりクリックしてご覧ください。
高齢者音楽療法を実際に体感したいという方は
今回の記事を読んで、実際に音楽療法を受けてみたいと思った方は、地域限定ではありますが出張で音楽療法を行います。
施設はもちろん、個別宅でも実施いたしますので、興味がある方はお気軽にご連絡ください。
また、対象地域外にお住まいの方は、オンラインでの音楽療法を行いますで、こちらもお気軽にご利用ください。
高齢者の音楽療法プログラムの立て方は??まとめ
いかがでしたか??
今回ご紹介した例はあくまでも一例なので、実際に音楽療法を行う際は、対象者の方に見合った活動内容をプログラムとして考えてください。
この記事が、これから高齢者領域の音楽療法士を目指している方の参考になれれば、嬉しいです。
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